皇室の家系としての皇統の考え方について
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/18 12:01 UTC 版)
「皇位継承問題」の記事における「皇室の家系としての皇統の考え方について」の解説
【女系論】そもそも、皇祖神である天照大神が女性神であり、天壌無窮の神勅にもアマテラスの子孫であることが天皇になる条件とされており、そこに男女の別は記述されていない。よって、皇室の歴史は女系から始まっていると言っても過言ではない。逆に言えば男系で辿っても皇祖神の天照大神に繋がらないことを意味しており、もともと男系に固執する意味は無い。むしろ、女系を認めるほうが本来の神話回帰と言える。男系(の男子)に限定することを明文化することは明治皇嗣典範を俟たなければならない。【復帰論】記紀神話では、天照大神のあたりまでは、男性神のイザナギと女性神のイザナミをはじめ、兄妹の神々が交わって次の神を産み出していることから、父方の系統と母方の系統が別々に存在するわけではない。それゆえに、アマテラスの世代までさかのぼると、男系・女系の区別をつけることがそもそも不可能である。古事記の記述においても、人間と同じ「産まれる」という概念が出るのは、アマテラスの孫にあたるニニギノミコト以降である。そもそも当然ながら、歴代の皇室はアマテラスが女性神であることを理解した上で、その男系の子孫で皇位を継承し続けたのであって、「アマテラスは女性神だから、女系でもいい」という論理にはならなかった。また、皇統は男系(の男子)によって紡がれることが「古からの定め」と記された文献は江戸時代の『慶長公家諸法度』(禁中並公家諸法度への注釈書)に確認される。
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