発見・観測史とは? わかりやすく解説

発見・観測史

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/06 05:16 UTC 版)

ハービッグ・ハロー天体」の記事における「発見・観測史」の解説

最初ハービッグ・ハロー天体19世紀終わりバーナムによって観測された。彼はリック天文台36インチ屈折望遠鏡使っておうし座T星観測している時に、星のそばに小さな星状の領域があることに気づいた。しかしこの天体単なる輝線星雲として分類され、後にバーナム星雲 (Burnham's Nebula) として知られるようになったものの、従来輝線星雲別種天体であるとは認識されなかった。しかしその後おうし座T星は非常に若い変光星であることが明らかになり、後におうし座T型星として知られる同様の天体典型例であることが分かったおうし座T型星は星の中心部重力収縮原子核反応によるエネルギー生成とがまだ釣り合い達していない段階の星である。 バーナム発見から50年後、同じよう星雲いくつか発見された。これらは非常に小さくほとんど星のようにしか見えない天体だった。1951年、ハービッグはリック天文台の90cmクロスリー望遠鏡用いて1946年1947年撮影されオリオン座散光星雲 NGC 1999写真乾板から星雲状見え奇妙な天体を3個発見しそのうち明るい2個について分光観測行った 。翌1952年にはアロ論文発表し、ハービッグの発見した天体1950年アロ独立発見していたこと、同様の天体新たに4個発見しており、これらの天体全て赤外線波長では見えないことを指摘した 。彼らが発見した天体のうち、ハービッグが最初に分光観測行った2個の明る天体は現在では HH 1 と HH 2 というカタログ番号付けられている。また、ハービッグはバーナム星雲観測行い、この星雲水素硫黄酸素の強い輝線を持つ変わったスペクトル持っていることを発見したそれぞれの発見の後、ハービッグとアロアメリカアリゾナ州ツーソン開催されたある天文学会議出会った。ハービッグは当初自分見つけた天体についてはあまり大きな興味持っておらず、主として星雲のそばにある恒星方に関心持っていたが、アロ発見に関する発表聞いて、この天体ついてより詳しい研究行なうこととなったその後ソ連天文学者ヴィクトル・アンバルツミャンがこの天体に彼ら二人の名前を付けてハービッグ・ハロー天体呼んだアンバルツミャンはこの天体数十万年程度年齢を持つ若い恒星のそばで見つかることから、この天体おうし座T型星形成初期段階を示すものではないか示唆した研究が進むにつれてHH 天体強く電離していることが分かり初期の理論家たちはこの天体には光度の低い高温星が含まれているのではないか推定した。しかし HH 天体星雲には赤外線放射見られないことから、この内部に恒星存在する可能性は低いことが分かった。もし恒星存在すれば赤外線強く放射するはずだからである。その後の研究HH 天体星雲原始星存在する可能性示唆されたが、最終的に HH 天体近くにある若い星から放出され物質で、それが超音速星間物質衝突し、その衝撃波によって可視光放射されていると理解されるようになった1980年代初めになると、HH 天体のほとんど全てジェット状の構造存在することが観測によって初め明らかになった。このことから、親星から放出されHH 天体形成している物質は非常に強く収束している(非常に細いジェット絞られている)ことが分かった一般に恒星誕生した直後数十万年恒星周囲降着円盤存在することが多い。降着円盤恒星向かって周囲ガス落ち込むことによって作られるが、この円盤内側部分高速自転しているため、部分的に電離しプラズマの細いジェット円盤の垂直方向に放出されるこのようなジェットpolar jet呼ばれる。このジェット星間物質衝突する明る輝線放射する小さな領域生じ、これがハービッグ・ハロー天体として観測される

※この「発見・観測史」の解説は、「ハービッグ・ハロー天体」の解説の一部です。
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