現代仏教美術
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/15 18:17 UTC 版)
20世紀以降、アジアにおける仏教美術は西洋美術との接触・結びつきの中で新しい展開を迎えた。そのなかには、旧来の様式から離れて発展したものもあれば、伝統に軸足をおいたまま発展したものもある。 大乗仏教が主流な地域における現代仏教美術としては、大韓民国の王智源による仏像彫刻、ネパール出身でチベット・ニャラム県にルーツを持つツェリン・シェルパによる絵画作品 が挙げられる。仏教建築の分野で、台湾南部、高雄市の佛光山佛陀記念館が挙げられるだろう。この文化施設・宗教施設を兼ねる記念館は21世紀に入ってから建設され、仏塔やストゥーパ、大仏が建立されている。 また、上座部仏教が主流な地域でも、伝統美術の側からの近代的なアプローチは行われている。神秘家で彫刻家のバンルーリナット・スーリナット(英語版)は20世紀中盤にカンボジアとタイで活躍し、サラケオク公園(英語版)やブッダ・パーク(英語版)といった、大規模なコンクリート仏教彫刻群を造営した。さらに、1997年に開山したタイのワット・ロンクンは、タイの伝統的な仏教建築と超現実主義が図られている。 一方、アメリカ大陸やヨーロッパといった、近代に入ってから仏教が広まった地域では、少なくない現代アーティストが仏教をアートの主題として取り扱っている。注目すべき例としては、ビル・ヴィオラによるビデオ・インスタレーション、ジョン・コンネル(英語版)が手掛けた彫刻作品、 アラン・グラハム(英語版)によるインスタレーション作品、"Time is Memory"などがある。 イギリスの仏教団体ネットワーク(英語版)は、アートに携わる仏教実践者を識別することに意欲的である。この組織は、2005年に全国的な仏教芸術祭、「花の蓮」("A Lotus in Flower")を企画 したほか、 2009年には2日間に渡る芸術会議「ブッダマインド、クリエイティブマインド」の開催を支援した。「ブッダマインド、クリエイティブ」の閉会後に仏教芸術家の協会が結成され、組織としての努力が実を結ぶこととなった。 佛光山佛陀記念館 パゴダと大仏 ワット・ロンクン タイ、サラケオク公園の仏像群 ラオス、ブッダ・パークの仏像群
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