現代主義と郷土写実主義
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/02 04:31 UTC 版)
「台湾の文学」の記事における「現代主義と郷土写実主義」の解説
朝鮮戦争の停戦とアメリカによる援助の影響を受け、1960年代の台湾社会はヨーロッパ文化・思想の影響を受けることとなった。これは政治経済面での一部開放以外に、文学でも実存主義やシュルレアリスムが隆盛となり、現代主義に代表される文学作品が数多く発表された。代表的な作家としては小説『孽子(中国語版)』を発表した白先勇、現実社会を超越し台湾人の内面を描写した小説『我愛黒眼珠』の七等生、ヨーロッパの価値観の優位性を唱えた小説『家変』を発表した王文興、文学のヨーロッパ化と簡易な用字を提唱した散文『小太陽』を発表した子敏、シュルレアリスムを追求した詩集『夢、或者黎明』を発表した商禽などが挙げられる。 1970年代以降になると台湾の生活の現実を描写した作品が発表されるようになった。これらの作品は台湾の都市、農村経済、社会問題、価値概念を作品に反映させると共に深化させたものであり、郷土写実文学と一般に称され、台湾独自の文学分野が成立したと称されている。代表的な作家としては王禎和、鍾理和、鍾肇政、李喬、黄春明などがあげられ、北京語と台湾語の間に存在する障害、そして1970年代から1980年代にかけて政府により冷淡な扱いを受けながらも、既存の文学を発展させながら発展させていった。
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