現代の日韓関係
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/08 23:08 UTC 版)
「日韓問題」も参照 このような経緯を経て「日韓関係は良好になった」とも一時期言われていたが、両国間での論争も行われており、2010年代以降悪化の一途をたどっている。 日韓問題とも呼ばれる論争の多くは歴史認識に由来しており、教育(歴史教科書問題)、領土(竹島問題(韓国名:独島))、第二次世界大戦(靖国神社参拝問題、いわゆる慰安婦問題)、文化(文化財返還問題)などがある。歴史認識については、両国の専門家による日韓歴史共同研究が始まり、第1期の座長は三谷太一郎と趙東杰、第2期の委員会は鳥海靖と趙珖が委員長となった。日韓基本条約で解決された韓国人への賠償問題については、大韓弁護士協会の魏哲煥協会長が和解案を提示した。 日韓関係の課題には、北朝鮮(朝鮮民主主義人民共和国)に対する安全保障問題もある。2006年10月9日に北朝鮮の核実験が初めて行われて、安倍晋三総理大臣と盧武鉉大統領の日韓首脳会談では日韓連携が確認された。共通の同盟国であるアメリカとの日米韓の相互運用性が問題となっており、日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)は締結されているものの、物品役務相互提供協定は、日米と韓米では締結されているが、2017年1月時点では日韓で締結されていない。 日韓の姉妹都市は2016年11月現在で161組となる。福岡市と釜山広域市は姉妹都市協力を進めて、国境を超えても公道を走れるダブルナンバー車を採用した。 2017年9月20日には、明仁天皇、美智子皇后が、在位中8度目の私的旅行で高麗神社に参拝した。高麗神社はかつて高句麗からの移住者が住んだ高麗郡にあり、創建以来初めての天皇の参拝となった。 2010年代後半になると、日本の安倍晋三政権と韓国の(朴槿恵→)文在寅政権下での外交政策上の対相互強硬路線の影響により、慰安婦問題日韓合意の破棄、徴用工訴訟問題や、日本の自衛隊機に向けて射撃レーダーが照射される韓国海軍レーダー照射問題の発生、安全保障上での相互輸出規制管理(キャッチオール規制)の厳格化などによる日韓貿易紛争の勃発、韓国側による日韓秘密軍事情報保護協定(GSOMIA)の破棄など、日韓の隣国間で主張が対立し、両国関係の悪化の深刻化が進んでいる。 2020年代に入っても日韓関係の冷え込みは続いた。2021年6月にイギリスで行われたG7サミットでは韓国の文在寅大統領も招待されたが、現地で日韓首脳による会談はセットされず、菅義偉首相との間で1分程度のあいさつを行うに留まった。6月14日、韓国有力紙である朝鮮日報や中央日報は、韓国政府関係者の話として「G7首脳会議に合わせ会談することで韓日両国が合意したが、日本が一方的に会談を取り消した」、「日本側が韓国軍恒例の東海領土(竹島)守護訓練を理由に略式会談に応じなかった」として日本側を非難する報道を行ったが、即日、加藤勝信官房長官は記者会見を通じて「そのような事実は全くない」と完全否定。東京とソウルの外交ルートを通じて韓国政府に抗議したことも明らかにした。
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