現代の映画用カメラ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/05/08 22:53 UTC 版)
サウンドの同時録音を可能にするため、防音仕切りのなかに収められたゼンマイ式のモーターを依然として用いる大変小さなカメラもあるにはあるが、実質上今ではすべてのカメラは、動力源として電動モーターを用いている。 また現在では、カメラ本体は、軽量化され手持ち可能になり、ブームの型枠あるいはその他のコントロール可能な機械上で使用できる。その上今では、さまざまな撮影そしてさまざまな予算に適した、多くのフィルム規格が存在している。 現在のほとんどのプロ用カメラは、レンズ付きのカメラ本体(ボディ)、そして独立し分離可能な部品であるビューファインダー、マガジン(ここにフィルムを収容する)の3つから主に成立している。特にこの本体が軽量化されたために、多様なシチュエーションで映画を撮影できるようになり、映画の美学史に深い影響を与えた。1960年代のヌーヴェル・ヴァーグの監督およびシネマ・ヴェリテやダイレクト・シネマのドキュメンタリー映画製作者たちは、手持ち撮影技術をより頻繁に、そして幅広い目的のために用いることによって、進化し続ける技術を自分たちの映画に活用した。 現在はコンピュータグラフィックスや画像合成、さらに編集など映画製作プロセスの大半がデジタル化されており、撮影においても業務用ビデオカメラの高画質化に伴い、それらを用いたデジタル撮影が増えている。(ただ、資金面で余裕のあるハリウッドメージャーの場合、映画や大型テレビドラマは未だ35mmフィルム撮影の方が圧倒的に主流である。)デジタルシネマ構想の推進者であるジョージ・ルーカスが2002年公開の『スター・ウォーズ エピソード2/クローンの攻撃』にて、最初にHD24Pによる完全デジタル撮影を行っており、撮影した映像を即座に(デジタル回線でデータ転送すれば遠隔地でも)確認できる、フィルムの現像やデジタルスキャンの手間が省かれる、フィルム長による連続撮影時間の制限が解消される、などの利点がある。 ドイツのアーノルド&リヒターやアメリカのパナビジョン、レッド・デジタル・シネマカメラ・カンパニー、日本のソニーが代表的な映画用カメラメーカーである。 脚注 ^ デジタル大辞泉『撮影機』 - コトバンク、2011年11月28日閲覧。 ^ 百科事典マイペディア『撮影機』 - コトバンク、2011年11月28日閲覧。
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