現代の日本語と社会との関わり
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 15:17 UTC 版)
「放送用語」の記事における「現代の日本語と社会との関わり」の解説
放送用語と現代日本語、あるいは社会との関わりで中心となるのは、広い意味での語彙・語法である。一般的に放送用語では新形を認めることに抵抗が強く、いわゆる日本語の乱れについては保守的である。例えば「気のおけない人」など意味が変わりつつある慣用句は本来の意味で用いるとしている。また「早急」は、伝統的な「サッキュー」に変わって世間一般には「ソーキュー」と呼ばれることが多くなってきたが、これについては「取り急ぎ」や「すぐに」への言い換えを推奨している。 一方では社会の変容により放送用語が変わった例もある。例えば、犯罪報道において被疑者は逮捕された時点で呼び捨てにされていたが、社会的な人権意識の高まりから1984年からは「〇〇容疑者」と呼びならわす事とされ、新しい語法が生まれた(呼び捨て報道訴訟)。他には、戦時中の外来語の言い換えや戦後の皇室敬語の変化、あるいは「中共」から「中国」への読み替えや韓国の地名・人名を現地読みに変更した例などがある。 逆に放送用語が社会に影響を与えることもあった。例えば商品名の言い換えで用いられた「化学調味料」は、商品のマイナスイメージを広げる一因となった。 こうした社会的な日本語の変化は、1963年から継続してアンケート調査などを続けており、現代の言語の実態や意識を探ることで、放送用語の判断基準として用いられている。
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