爆買いの対象となる人気商品
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/01 14:37 UTC 版)
「爆買い」の記事における「爆買いの対象となる人気商品」の解説
爆買いの定番商品であり、中国人観光客の間で「四宝」と呼ばれているのは「炊飯器」「魔法瓶」「温水洗浄便座」「セラミック包丁」である。中国の通信機器・ソフトウェアメーカー小米科技(シャオミ)の最高経営責任者である雷軍は、「日本の電気釜は確かによくできている」と述べ、中国の製造業の品質向上を促した。その他では、医薬品や化粧品も人気となった。 日本人の顔立ちをもとに開発されてきた国内向けの化粧品は、繊細な色づかいや目元を大きく見せる点などで優れており、顔立ちの似ている他のアジアの国でも「カワイイ」と人気が高まっている。化粧品が免税の対象に加わったことは外国人観光客による大量買いにつながった。化粧品以外にもドラッグストアで売られている物の多くが人気を集めている。日本に滞在中の中国人留学生などが本国へ情報発信しながら、「代理爆買い」と呼ばれる買い物を請け負うサービスを始め、注文のあった商品をまとめ買いする姿が夜の新宿を中心に目立つようになった。2018年2月、化粧品メーカーのファンケルは、人気商品である「マイルドクレンジングオイル」の購入規制を直営店に通告した。日本語、中国語の二言語で「一週間に一人10個まで」という内容のものであった。この通告は、訪日客が現地での転売をすること、転売に伴うメーカーのブランドイメージ低下を懸念してのものであった。化粧品メーカー、コーセーの子会社であるアルビオンは2017年末に「アルビオン」ブランドの乳液を1日1個に購入を制限した。訪日客の「爆買い」により生産が追いつかなくなってしまったためだという。 韓国においても、中国人観光客らに対する化粧品の販売・輸出が好調である。ソウル中心部の明洞の通称「コスメ・ロード」では、中東呼吸器症候群(MERS)問題が深刻化した2015年6月ごろ観光客が激減したが、同年10月には中国人観光客が戻ってきて、化粧品を「爆買い」していると報じられている。同年4月にソウル市内の韓国最大級の美容展覧会が開かれ、中国の化粧品販売業者との間で保湿用の馬油クリーム2万個を販売するといったような「大型商談」をいくつもまとめた韓国企業もあったという。 2013年頃から、日本製の紙おむつに対する「爆買い」が顕著になり始めた。2016年現在、日本の紙おむつの需要は子供用と大人用合わせて2000億円市場となっているが、子供用の需要は安定し、大人用の需要が拡大している。そのなかで子供用に「爆買い」の影響がみられるという。 爆買いの対象として変わったところでは、岩手県の「南部鉄器」で知られる鉄瓶がある。2010年の上海万博で紹介され、白湯とプーアール茶の相性のよさから中国人富裕層の人気を呼んだ。中国切手も売れている。特に文化大革命期の中国切手は、当時切手収集が禁止されていたこともあり、発行枚数が少なく、この時期に発行された切手は、中国人収集家の間では貴重品として人気が高い。1セット80万円もする希少品もある。 また、日本の産業用ロボット・工作機械・建設機械も炊飯器や温水洗浄便座に匹敵する「爆買い」の対象となっているとされ、「中国製造2025(英語版)」「一帯一路」を国策に掲げる中国政府の政策で生じた設備投資やインフラ投資の需要によるものとされている。 東京の秋葉原や大阪の日本橋では、おたく(御宅族、宅男)の中国人観光客によってアニメグッズやフィギュアが「爆買い」の対象になっているとされ、中国では日本の約5倍も高い価格にもなるガンプラなどのプラモデルも人気とされる。
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