渋谷駅移設工事
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/13 06:28 UTC 版)
渋谷駅は、東急百貨店東横店の西館3階に設けられていた相対式ホーム2面2線が使用されてきたが、渋谷駅街区基盤整備の一環で同百貨店を解体するのに併せ、元位置から東へ130 mの明治通りの上空に、幅12 mの島式ホーム1面2線を設ける工事が実施された。 この工事の一環として、新しいホームを築造するスペースを確保するため、渋谷 - 表参道間を終日運休して明治通り上空での「線路切替工事」が2016年より段階的に実施された。 工事日程第1回:2016年11月5日 - 6日・19日 - 20日に2日間×2回の計4日間で実施。「作業スペースの確保」を目的に、渋谷駅方面行きと浅草駅方面行きの線路を南側に3.5 m移動。 第2回:2018年5月3日 - 5日の3日間で実施。「島式ホームの場所の確保」を目的に、線路の切り替え区間の延長415 mの間で、二つの線路を両側に最大4.6 m動かして間隔を広げた。同時に明治通りを跨ぐ箇所の縦断勾配を緩和するため、線路の高さを最大で2 m下げた。渋谷駅を東側に130 m離れた明治通りの上空にプラットホームを移動する。 第3回:2019年12月28日 - 2020年1月2日の6日間で実施。「新ホームの供用開始」を目的に、渋谷行き線路をさらに南側に移設すると共に浅草行き線路も現ホームを一部を撤去の上で北側に一部移設。これらと平行してホームを築造する。この過程で、かつての渋谷行き線路は旧上野検車区渋谷分室への線路と分離され行き止まり構造となる。 なお、この工程は当初「南側への移設と新ホーム供用開始」「北側への移設とホーム拡幅」の2段階に分けて行われることが想定されていたが、これらの工程を一括して実施し、2020年1月3日より渋谷駅新駅舎での営業を開始した。 工事施工当日の運行計画 渋谷駅 - 表参道駅間及び、青山一丁目駅 - 赤坂見附駅 - 溜池山王駅間を終日運休。渋谷駅と赤坂見附駅の銀座線ホームは閉鎖。 表参道駅 - 青山一丁目駅間及び、溜池山王駅 - 上野駅 - 浅草駅間の2区間において折り返し運転。 並行して、半蔵門線・南北線・千代田線・丸ノ内線およびJR東日本等の他社線を使用しての振替輸送も実施。半蔵門線は早朝・深夜に臨時列車を運転。 溜池山王駅 - 浅草駅間は、溜池山王駅渋谷寄りの折り返し設備を利用。運行区間の短縮以外はほぼ平常通り。 表参道駅 - 外苑前駅 - 青山一丁目駅間は、乗り換え路線がない上、周辺で各種イベントが開催される外苑前駅の封鎖を避けるため運転されることになった。同区間を含む溜池山王駅 - 渋谷駅間には折り返し設備がないため、表参道発青山一丁目行と青山一丁目発表参道行を単線並列とし、約12分間隔で折り返し運転。終点到着後は回送扱いで本線を逆走し、青山一丁目駅・表参道駅に戻る形で運転した。 2020年1月3日、始発電車より渋谷駅新駅舎の供用が開始され、開業記念式典が催された。移設によって銀座線渋谷駅 - 表参道駅の駅間キロは1.3 kmから1.2 kmに短縮されたが、東京メトロの旅客営業規程第13条に渋谷駅 - 表参道駅間の運賃計算キロを1.3 km(半蔵門線の駅間キロ)とする旨が追加されたため、運賃計算上の最短経路が渋谷駅 - 表参道駅間を経由する駅相互間の運賃に変更はなかった。駅移設後もエレベーターの増設やホームドア設置などの工事が、同年7月の東京オリンピック当初の開幕直前までを工期として進められた。
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