概要: マーケティング 3.0 (共生マーケティング・ミックス)の4Cの意義
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共生マーケティングのミックス要因の4C(商品、コスト、チャネル、コミュニケーション)は、1972年度(清水公一)早稲田大学商学研究科の修士論文に最初に現れた。「マーケティングの4C」とは次のようなもの。 Commodity(共生商品)はラテン語で「共に便利な」、「共に幸せにする」という意味で、消費者から出発する「アウトサイド・イン」もしくは「マーケテット・イン」の考え方に添った商品である。これは統合マーケティングコミュニケーション(IMC)の考え方と近い。造ったから売ってしまえというプロダクト・アウトの考え方では、産地を偽ったり、賞味期限を延長したりするといった商品偽装など無くなるはずもなく、こんなことは以ての外であり、消費者との相互作用(w:Co-creation)によって信頼できる商品やサービスを開発しようという哲学がコモディティに反映していく。はじめからコ・クリエーションを考慮してコモディティを創れば、最近言われているコモディティ化(Commoditization)にも対処しやすい。 Costは、Constare(共に立ち上がって犠牲を払う)という原義から費用となったもので、プライスだけでなく生産コスト、販売コスト、買い物コスト、社会的コストと広く捉えることができる。ノースカロライナ大学のロータボーンも同様のことを言っている。地球環境コスト(原発等の安全対策コストも含まれる)だけでなく、子育てコスト、介護コストも企業が加味して行けば、例えばある化粧品会社のように社内に託児施設をつくることで待機児童の問題にも貢献でき、介護をしている従業員への支援システムをつくることを社会的コストとして加味したり、優良企業と福祉ビジネスとの社会的コストに関する共生によって介護関係の雇用の問題も解決の糸口が見えてくる。 Channel(流通経路)の原義はキャナル(運河)であり、このほうがプレイスよりも商品のダイナミックな流れをそのまま表すことができる。納入業者、製造業者、流通業者、消費者が共生できるビジネスモデルを創成する。生産者・製造者・流通業者が共生している食品会社や製造と流通が共生しているアパレル産業などがある。チャネルとしてインターネット販売も考えられ、リアルとネットの融合の問題も包含できる。 Communication(原義:意味を共有する)のほうがプロモーションよりも双方向型の共生の考え方に相応しい。前述したロータボーンの見解も同様である。節約を呼びかける電力会社の広告や社会に呼びかけるACジャパンの公共広告は「プロモーション」ではなく「コミュニケーション」であろう。1990年代に良いといって騒がれた統合マーケティングコミュニケーション(IMC)戦略は4P理論ではマーケティングの中に位置づけられない。これからの経営は価値共創(w:Co-creation)型で、消費者の心を掴み(w:consumer insight)、広告等で提案をし、絆(engagement)を創っていかなければならない。つまり、プロポジション(w:Proposition)として、コミュニケーション・ツールをコーディネートし、オーディエンスに順次コンタクトしていくというクロスメディアを考慮することがコミュニケーションであればできる。勿論、市場の調査・分析・報告を行うw:Marketing Information System(w:MIS)もコミュニケーションに含まれる。「プロモーション」のカテゴリーではこれらの課題を包含することはできない。コミュニケーション・ツールには広告、販売促進、PR、パブリシティ、CI、インターナル・コミュニケーション、クチコミ、w:MISなどがある。 共生マーケティングはこれら4Cを遂行することで、人に優しく、地球に優しくでき、生活者の信頼を得て、はじめて商品が売れ、利益が後からついてくるという考え方に基づくマーケティングである。自由競争社会にあって、信頼を損なわないマーケティング、それが共生マーケティングである。この共生マーケティングのフレームワークの一つに7Cs COMPASS MODELがある。
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