椅子の配列
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/09 17:37 UTC 版)
クロスシートは、おおむね以下の構成である。 座席幅の寸法は、特急用車両の場合普通車で430 - 460mm、グリーン車の場合2+2配列で450mm前後、2+1配列のものや新幹線車両では470 - 500mm程度が一般的である。数値のみで見た場合普通車とグリーン車との間の差、また前述のロングシート車の数値と大差がないとされるが、座席幅の数値は肘掛部分をのぞいた幅で計測されるのが通常であるため、横方向における体感的なゆとりは座席幅よりもむしろ肘掛の有無や、肘掛の幅の差に表れる。 なお、一部の車両には車椅子を固定するために標準の配列から1人分減じた区画がある。 2+2配列 一列あたり中央の通路を挟んで2人掛けの椅子が並んでいる配列。日本の鉄道車両の場合ほとんどのクロスシートがこの構成である。新幹線車両ではグリーン車で採用されているが、一部普通車でも採用例がある。 2+3配列 標準規格の新幹線の普通車で採用されている配列。東海道新幹線では、海側の座席が3人掛け、山側が2人掛け座席である。在来線車両では修学旅行列車用の155・159系と、着席定員増加を企図した415系(1900番台の2階席)に採用例があるのみとなっている。 3+3配列 JR東日本の2階建て新幹線「Max」の2階自由席車で採用されている配列。通路の両側に3人掛け座席が並ぶ。回転式クロスシートではあるが、横幅の関係で肘掛がないことからリクライニングはできない。 2+1配列 1人掛けと2人掛けの座席が組となっており、JR化以降の在来線特急グリーン車で採用されている事例が増えている。振り子式車両では、客室内で左右の重量を揃えるため千鳥式の座席配置が見られる。新幹線車両では在来線車両規格の400系とグランクラスで採用されている。 一方、一部の普通・快速列車用車両にもこの配列が見られるが、これは通路を広げ立席定員を増やすためで、1座席の幅は2+2配列で利用されるものとほぼ同じである。 関空快速用車両の223系0番台は当初空港利用客のスーツケースなどの荷物置き場を確保する目的でこの配列とされたが、ラッシュ時の輸送力確保にも有効であったため後継車両の225系5000・5100番台にもこの配列が踏襲され、最終的に阪和線は特急以外の全列車がこの座席配置となった。当初はノルウェー製の座席であり、1人掛け座席の肘掛け下に荷物を固定するためのワイヤーが備え付けられていたが、国産の住江工業の座席に交換した際に廃止された。 山陽電気鉄道5030系、2代目京阪3000系や名鉄2200系の一般車などラッシュ時と閑散時の運用を両立させるための目的や、京阪京津線専用車である800系や2階建車両であったJR東海371系のサロハ371形など、室内幅の都合でこの配列を採用した車両も存在する。 1+1配列 一列あたり中央の通路を挟んで1人掛けの椅子が並んでいる配列。かつての一等車や、それを元にした東海道本線特別急行列車群に使用されたクロ151形「パーラーカー」の開放式一等席で用いられた。1990年代に「成田エクスプレス」用253系の開放式グリーン席で採用された事例があるが、2004年までに上記の「2+1配列」に変更されている。なお、この配置は座席定員が限られることから少なく、例えば、一般形車両においては三岐鉄道270系電車や四日市あすなろう鉄道260系電車などの軽便鉄道や路面電車の様に車両幅が狭い場合や、側面方向の展望席などに限られる。 その他 1990年から2008年まで「あかつき」で、1990年から2005年までは「なは」に連結していた普通車座席指定席である「レガートシート」用車両では高速バスの座席配置にならい、1人掛け座席を独立させ3列に配置していた(1+1+1配列)。 JR東日本E127系(100番台)、伊豆急行8000系などでは2人掛けクロスシートとロングシートを車両の左右で別に配置している。
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