核ロケットの傘の創出
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/03/08 06:44 UTC 版)
「キマフトマティキ」の記事における「核ロケットの傘の創出」の解説
キマフトマティキの優先事項の一つは高エネルギー特性と高信頼性と低製造費と配備中の整備の不要な液体燃料ロケットエンジンの開発の軍用の契約の履行だった。1957年にRD-0100、RD-0101、迎撃用のRD-0102の開発中に獲得したこれまでの経験を基に設計局は自己着火性推進剤を使用する短距離対空ミサイル(SAM)用のエンジンの開発を開始した。最初の液体燃料ロケとエンジンであるRD-0200 (主任設計者 A. Golubev)はS. ラヴォーツィキン5В11 SAMの2段目用として開発された。エンジンは1 : 10の出力調整を備えたガス発生器サイクルとして設計された。エンジンは全ての試験に合格して量産された。 RD-0201(主任設計者 L. Pozdnyakov)はP. Grushin B1100 SAMの3段目のために設計された。RD-0200とは異なり、飛行航法を目的とした4基の傾斜可能な燃焼室を備える。1950年代末に8K72を置き換える目的のより強力なR-9ロケットの開発に疑問がもたれた。1959年から1962年に設計局は液体酸素/ケロシンエンジンであるRD-0106を打ち上げ機の2段目(ブロック B)(主任設計者 – Y. Gershkovitz)のために開発した。高エネルギー特性、最適化された設置、高信頼性、小型、単純な運用、開発期間(地上と飛行)はソユーズ打ち上げ機の3段目(ブロックI)用のRD-0110を含むコロリョフの宇宙ロケット用のエンジンの多様な開発のための基になった。1960年代初頭から打ち上げ機のためのキマフトマティキとチェロメイ設計局との長期間にわたる互恵的な協力関係が始まり、およそ20基が開発された。強力な打ち上げ機がこの時期に必要であると考えられ、エネルギー特性と液体燃料ロケットエンジンの運転特性の改良が検討された。キマフトマティキはこのような液体燃料ロケットエンジンの開発を開始した。1961年から1964年にUR-200の1段目用にRD-0203とRD-0204液体燃料ロケットエンジン(主任設計者 V. Kozelkov)が開発され、同じロケットの2段目のためにRD-0206とRD-0207(主任設計者 L. Pozdnyakov)が開発された。 これらの新型エンジンは先進的な設計で常温で貯蔵可能な推進剤の構成で、初めて二段燃焼サイクルを採用した。予燃焼室(プリバーナ)と主燃焼室を備え高圧(150 kg/cm2まで ガス発生器サイクルのエンジンでは70 kg/cm2まで)で運転され、ターボポンプの駆動による比推力の損失を除外した。 高出力で高経済性のエンジンは地上試験から飛行試験まで短期間で開発された。これらのエンジンは新型エンジンの原型になった。1963年にチェロメイ設計局は新型のRS-10ロケットの1段目にキマフトマティキが1963年から1966年に開発したRD-0216とRD-0217(主任設計者 V. Koshelnikov)を採用した。高い水準の技術と運転が打ち上げ機には必要とされ、高効率で高信頼性と狭い空間に収まる事がエンジンには求められた。これら全ての要求はロケットの構成要素として地上と飛行開発試験によって適合し、認定された。 高圧燃焼室を備えた新世代のエンジンの開発によって得られた経験が基礎になった。この形式の最初のエンジンはRS-18ロケットの1段目のために1969年から1974年に開発されたRD-0233とRD-0234 (主任設計者 V. Kozelkov, 主導設計者V. Ezhov)だった。 さらにRS-18の2段目のために二段燃焼サイクルのRD-0235とガス発生器サイクルの傾斜機構を備えたRD-0236 (主任設計者 V. Kozelkov, 主導設計者Y. Garmanov)が開発された。RD-0235はRD-0216エンジンを基に開発されたがより高信頼性の設計になった。 液体燃料ロケットエンジンの開発経験を基に1967年にキマフトマティキは総設計者のM.ヤンゲリによって設計されたRS-20の2段目のRD-0208 (主導設計者 Y. Gershkovich)を開発した。エンジンはプロトンで使用された3段目のRD-0212エンジンを基に開発されたがより強力で異なる段に装備された。
※この「核ロケットの傘の創出」の解説は、「キマフトマティキ」の解説の一部です。
「核ロケットの傘の創出」を含む「キマフトマティキ」の記事については、「キマフトマティキ」の概要を参照ください。
- 核ロケットの傘の創出のページへのリンク