核兵器での利用
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/06/28 12:59 UTC 版)
「プルトニウムガリウム合金」の記事における「核兵器での利用」の解説
初期の核兵器では、δ相のPu-Ga合金をいったん管状に成形し、その後、約 400 ℃で熱間圧接してピットを製造していた。 現在ではピットは鋳造されており、臨界前核実験により性能は製法によらず同等であることが示されている。Pu-Ga合金では冷却時にε相からδ相への転移しか起こらないため、純プルトニウムを鋳造するのに比べ問題が起きにくい。 それでもδ相Pu-Ga合金は熱力学的に完全に安定なわけではなく、経時変化の懸念がある。 これは各相の密度が大きく異なるため、体積変化が問題になるからである。特に115 ℃以下ではプルトニウムがδ相からα相に転移して体積が縮むため、これに伴って機械的損傷や構造が破壊されたり対称性が失われたりすることは極めて重大な問題となる。 なお、ガリウムのモル濃度が4%以下の場合は圧力による相転移は不可逆的になる。 一方で相転移による体積変化は核兵器を起爆させる際には便利である。核分裂反応が始まり、Pu-Ga合金がδ相からα相に転移すると体積が25%縮み、臨界に達しやすくなるからである。
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