東洋医学における瞑眩
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/23 01:57 UTC 版)
漢方薬の知識体系では瞑眩と呼ばれ、21世紀初頭の漢方薬の教科書では、予期せぬ症状の悪化が起こりその後、よく改善されていく場合の最初の悪化の過程であり、経験上3-4日以内持続し、1週間のこともあるとされる。1945年から2009年の間で、日本での瞑眩についての症例報告は70症例前後あり、文献以外の院内調査でも80%の人々で2-3日で生じており、教科書を裏付けていると考察された。 発症時期 1日目(42%、うち数時間が15%) 2日目(27%) 3日目(11%) 数日(5%) 4日目(3%) 5日目(1%) 7日目(4%) 8日目(4%) 2週間後(1%) 4週間後(1%) 持続 1日(33%) 2日(14%) 3日(14%) 4-6日(19%) 7日(13%) それ以上5% 症状が強く服薬中止:3症例 8日以上続いた3症例は、いずれも皮膚症状であった。このように8日を超える場合は、瞑眩ではなく有害事象(副作用)の可能性も考慮される必要がある。荒川和男も120症例を検討している。 中国の古典の『尚書』(『書経』とも、『四書五経』に含まれる)に記載があり、日本の漢方医の吉益東洞(18世紀)により日本で広く認知されるようになった。薬によって瞑眩が起きなかったら、その病は治らないという意味である。 若薬弗瞑眩厥疾弗瘳 — 『尚書』 治療過程において頻繁に起きることなので、事前に説明がされることが多い。漢方薬の厳密な定義に従うと、瞑眩が発生するのは多くある。漢方では患者の体質(証)を判断してから調剤を行う。 慢性的に疲労していた筋肉がほぐれ、溜まっていた老廃物が血液中に流れることなどが要因として考えられる。だるさや眠気、ほてりなどを感じるケースが多い。眠気が生じると不眠症が治ったと勘違いしてしまうことがある。他、発熱、下痢、発疹、咳などに現れることもある。また、老廃物が尿として排出されるため、その色が濃くなったりする。その他にも、主訴となる症状が一過的にぶり返したかのように見える場合もある。
※この「東洋医学における瞑眩」の解説は、「好転反応」の解説の一部です。
「東洋医学における瞑眩」を含む「好転反応」の記事については、「好転反応」の概要を参照ください。
- 東洋医学における瞑眩のページへのリンク