本線系統在籍時
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/10/16 14:51 UTC 版)
「名鉄3780系電車」の記事における「本線系統在籍時」の解説
導入当初は三河線直通特急「かえで号」など支線区直通の優等列車運用を中心に充当され、支線区における車両冷房によるサービス向上に寄与した。 なお、本系列より本格採用されたライトパープル1色塗りという車体塗装は一時期他系列へ普及しかけたものの、塗料が耐候性に乏しく退色が激しかったことや遠方からの車両の視認性に著しく難があることなどを理由に中断された。間もなく本系列を含むライトパープル1色塗りの車両は全車とも当時の標準塗装であった黄色がかったクリーム(ストロークリーム)地に赤帯へ塗装変更され、ライトパープル塗装は誕生から約2年で消滅した。 後に本系列は3700系(2代)・3730系・3770系の各形式と共通運用で普通列車運用から優等列車運用まで各路線区において幅広く充当された。しかし、本系列をはじめとするHL制御の車両群(HL車)はMT比1:1ながら搭載する主電動機の出力が低く、また高速運転時に用いる弱め界磁制御機能を持たず、SR車 (Super Romance car) と呼称されるカルダン駆動車各形式や、HL車と同じく吊り掛け駆動車ではあるものの主電動機出力が高く弱め界磁制御機能を備える間接自動加速制御(AL制御)仕様のAL車と呼称される各形式と比較して走行性能が劣るため、新型車両の増備に伴って支線区における運用が中心となっていった。中でも本系列は冷房装置および大出力電動発電機といった重量物の搭載に伴って編成重量が大幅に増加したにも関わらず、主要機器は3700系・3730系・3770系の各形式と全く同一仕様であったため、特にその走行性能の低さが指摘された。1970年代前半には新型車両導入に伴って代替廃車となるAL車の主要機器を転用して本系列の走行性能の向上を図ることが計画されたものの実現しなかった。 最終的に本系列は、瀬戸線の架線電圧1,500 V昇圧工事完成を機に、名古屋本線など幹線系統と比較して運行速度の低い瀬戸線へ全車集中配置されることとなった。昇圧前年の1977年(昭和52年)から1978年(昭和53年)にかけて、車体塗装のスカーレット1色塗り化とともに、昇圧工事完成後には経路変更による地下新線(栄町 - 東大手間)開業が予定された瀬戸線入線対策として、車体の不燃構造化(A-A基準適合化)改造が順次施工された。改造後はシートモケットおよび側窓カーテンの難燃素材への交換、側窓下段の上昇幅制限、非常用ハシゴの搭載、保安ブレーキの新設、前面貫通扉部への貫通幌新設などA-A基準に適合する仕様に改められた。
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