本線運転終了、展示運転へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/22 03:02 UTC 版)
「国鉄C56形蒸気機関車160号機」の記事における「本線運転終了、展示運転へ」の解説
JR西日本は2017年を目処に、梅小路蒸気機関車館で「SLスチーム号」として構内運転用に動態保存されていたD51 200を本線で運用できるように大規模な修理を施し復活させ、「SL北びわこ号」および「SLやまぐち号」(C57 1の代理牽引)の牽引機関車を置き換えることを2014年(平成26年)10月17日に発表した。それにより本機は本線運転を終了することとなった。その要因としては、今後運転を続けていくために必要とされる新型の保安装置ATS-P形を追加する際、電源設置の機器スペースを大きく取る必要があるが、本機の小形の炭水車に搭載すると、10㎥とテンダー機の炭水車としては少ない水容量がさらに減少するとともに航続距離が減少し、「SL北びわこ号」での本線運転すら難しくなってしまうためである(同じ理由で重油併燃装置は現在まで設置されなかった)。また、「SLスチーム号」として使用する機関車の検査も併せて行うこと、作業従事者の数の都合などから本線運用機は2台までというJR西日本自身の方針により置き換えが決定された。なお、報道などでは老朽化を理由として掲げているが、梅小路運転区で整備を担当している職員によると、本機は不具合が少なく今まで大規模修繕が必要になるほどの状態悪化が確認されていなかったといい、全国の動態機全体で見てもかなりの好調機であった。 2018年2月23日、JR西日本は同5月5日にD51 200との重連運転を行い、翌6日に津和野 → 新山口間で運行予定の臨時列車「ありがとうC56号」の運転をもって、「SLやまぐち号」ならびに山口線内での運行を終了する方針の発表が行われた。また、山口線での運転終了発表後の同年3月19日、5月27日の「SL北びわこ号」の牽引をもって、本機の本線最終運転が公表され、これが最後の本線運転となった。 2018年5月27日、最後の営業列車である「SL北びわこ3号」が13時15分に米原駅を発車、14時に木ノ本駅に到着し、これをもって本線運転を終了。梅小路運転区へ回送後、京都鉄道博物館の扇形車庫で「本線運転引退セレモニー」が行われた。総走行距離は141万km。「SL北びわこ号」および「SLやまぐち号」(C57 1の代理牽引)の運用をD51 200と交代し、今後はそのD51 200が今まで担ってきた役割を引き継ぎ、京都鉄道博物館の展示運転「SLスチーム号」として運用される。その後、本機は本来受けるべきである中間検査Bの施工を行わず、同車庫内にて構内運転用の機関車と同じ整備基準、いわゆる「動態Bグループ」としての整備を実施。これにより、本線走行は事実上不可能となった。この整備に際して、本線走行時に必須装備とされていた、煙突上の回転式火の粉止めと前後の標識灯は取り外され、すっきりとした姿となった以外、表面上から確認できる変化は見られていない。同8月18日、「SLスチーム号」での運転が開始された。なお、車籍の扱いについて現時点では未定である。
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