朝日新聞報道から河野談話へ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/26 03:11 UTC 版)
「軍慰安所従業婦等募集に関する件」の記事における「朝日新聞報道から河野談話へ」の解説
1992年1月11日、朝日新聞は第一面で、「慰安婦募集に関する日本軍の関与についての新資料が発見された」、「この通達を日本軍が朝鮮の少女を強制連行した証拠」と報道した。この新資料とは、吉見義明が防衛庁防衛研究所図書館で「陸支密大日記」から発見した6点の公文資料であり、これについての吉見のコメントの見出しは「軍の関与は明白であり 謝罪と補償を」となっている。また、「従軍慰安婦の解説」では「約八割が朝鮮人女性」「主として朝鮮人女性を挺身隊の名で強制連行した。その人数は八万とも二十万ともいわれる」と掲載している。 日本政府の反応 この朝日の報道以前、日本政府は従軍慰安婦について「国家総動員法に基づく徴用の対象ではなかった」という見解を示していた。主に社会党議員による10数回の追求の中で、「労働省を中心に調査したが資料は無かった」「労働省勤労局、国民勤労動員署などの勤務経験者から聞き取りを行ったが、それらの役所は関与していなかった」と回答していた。しかしこの資料と同時に公開されていた他の資料とあわせて、政府の「関与はなかった」という従来の見解を大きく変える必要に迫られた。こうして同日加藤官房長官は「当時の軍の関与は否定できない」と初めて国の責任に触れ、渡辺副総理・外相もまたTBS系の深夜番組に登場し「何らかの関与があったと認めざるを得ない」と発言している。 批判 西岡力はこの朝日の報道について「吉見はこの時に資料を発見したわけではない」、そして「元慰安婦の金学順による裁判や、宮沢喜一首相(当時)が韓国を訪問としようとしたタイミングで朝日新聞が意図的に報道した」と唱えている[要検証 – ノート]。またこの記事を執筆した植村隆の義理の母親である韓国人女性梁順任は、1991年12月6日から2004年11月29日にかけて慰安婦に対する賠償を日本政府に求めたアジア太平洋戦争韓国人犠牲者補償請求事件(最高裁判所にて原告の敗訴)の控訴人となった韓国太平洋戦争犠牲者遺族会の会長である。
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