昭和16年夏の敗戦
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/08/02 21:41 UTC 版)
昭和16年夏の敗戦 昭和16年夏の敗戦 総力戦研究所"模擬内閣"の日米戦必敗の予測 |
||
---|---|---|
著者 | 猪瀬直樹 | |
発行日 | 1983年8月 | |
発行元 | 世界文化社 文藝春秋(文春文庫) 小学館(『日本の近代 猪瀬直樹著作集』『猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」』) 中央公論新社(中公文庫) |
|
ジャンル | ノンフィクション | |
国 | ![]() |
|
言語 | 日本語 | |
ページ数 | 296 | |
次作 | 『昭和23年冬の暗号』 | |
コード | 978-4-12-206892-6 | |
![]() |
||
|
『昭和16年夏の敗戦』(しょうわじゅうろくねんなつのはいせん)は、1983年初出版の猪瀬直樹によるノンフィクション小説。
当初は題名『昭和16年夏の敗戦 総力戦研究所"模擬内閣"の日米戦必敗の予測』で、世界文化社より1983年8月に出版された。
後に改題され、文藝春秋の文春文庫より1986年8月25日に出版。小学館『日本の近代 猪瀬直樹著作集』とその電子版『猪瀬直樹電子著作集「日本の近代」』の第8巻として、題名『日本人はなぜ戦争をしたか』で、2002年7月1日に出版。中央公論新社の中公文庫より2010年6月に出版、その新版が2020年6月24日に出版された。
概要
太平洋戦争開戦前夜の1941年(昭和16年)の夏、総力戦研究所でアメリカと開戦した場合のシミュレーションが行われ、「日本必敗」という結論が導き出されていたにもかかわらず戦争へ突入していった史実を描いた[1][2][3]。
テレビドラマ
1991年版
昭和16年の敗戦 | |
---|---|
原作 | 猪瀬直樹 |
脚本 | 長坂秀佳 |
監督 | 木下亮 |
出演者 | 中村雅俊 神田正輝 |
音楽 | 小六禮次郎 |
国・地域 | ![]() |
言語 | 日本語 |
時代設定 | 20世紀 |
話数 | 1 |
製作 | |
制作 | フジテレビ、東宝 |
製作 | 針生宏 津島平吉 |
放送 | |
放送チャンネル | フジテレビ |
放送国・地域 | ![]() |
放送期間 | 1991年12月6日 |
放送時間 | 21:03-23:22 |
回数 | 1 |
『開戦五十年特別企画 昭和16年の敗戦』(かいせんごじゅうねんとくべつきかく しょうわじゅうろくねんなつのはいせん)は、本書を原作とするフジテレビジョン・東宝制作による単発ドラマ。
1991年12月6日にフジテレビ系「金曜ドラマシアター」枠で放送されたテレビドラマである。
スタッフ (1991年版)
キャスト (1991年版)
- 久保山亮一:中村雅俊
- 秋島昇平:神田正輝
- 飯田千太郎:田村高廣
- 久保山久子:中田喜子
- 志垣清:勝野洋
- 野崎学:三浦浩一
- 森吾郎:別所哲也
- 朝川誠司:美木良介
- 増沢健:誠直也
- 田中亜矢子:吉川十和子
- 松家馨:勝部演之
- 大泉良廣:内田直哉
- 吉田弥吉:石橋蓮司
- 片岡弘貴
- 新井康弘
- 秋間登
- 池田貴尉
- 辻つとむ
- 新井つねひろ
- 江藤漢
- 平野稔
- 丸岡奨詞
- 福岡正剛
- 金子由之
- 奈良坂篤
- 山下徳久
- 仙波和之
- 小山武宏
- 寺内よりえ
- 大林丈史
- 松岡洋右:戸浦六宏
- 東條英機:高松英郎
- 近衛文麿:仲谷昇
- ナレーター:鈴木瑞穂
2025年版
![]() |
この節には放送または配信開始前の番組に関する記述があります。
|
「NHKスペシャル終戦80年ドラマ『シミュレーション~昭和16年夏の敗戦~』」は、本書を原案とするNHK制作による単発ドラマ[4]。NHK総合にて前・後編で2025年8月16日・17日に放送予定[5]。
スタッフ (2025年版)
- 脚本・編集・演出:石井裕也[4]
- 原案:猪瀬直樹
- 題字:赤松陽構造[5]
- 音楽:岩代太郎[5]
- 制作統括:新延明(NHK)、家冨未央(NHKエンタープライズ)、布川均(ポニーキャニオン)、橋本櫻(東京テアトル)、永井拓郎(RIKIプロジェクト)[5]
- 制作:NHK、NHKエンタープライズ、RIKIプロジェクト[5]
キャスト (2025年版)
- 摸擬内閣の「内閣総理大臣」。産業組合中央金庫調査課長。
- 摸擬内閣の「内閣書記官長兼情報局総裁」。同盟通信社政治部記者。
- 摸擬内閣の「海軍大臣」。海軍少佐。
- 摸擬内閣の「陸軍大臣」。陸軍少佐。
- 摸擬内閣の「企画院総裁」。企画院物価局事務官。
- 宇治田の妹。日中戦争で夫を亡くす。
- 宇治田の弟。作家志望。
- 産業組合中金理事で宇治田の上司。宇治田を総力戦研究所の研究員に推薦。
- 内閣総理大臣。直属機関として総力戦研究所を設立し、開戦後のシミュレート研究を命じる。
- 企画院総裁。
- 当時40歳。当初は和平交渉による対米開戦回避を求めていたが…。
- 内大臣で天皇の最側近。政権を投げ出した近衛の後任として東條英機を推薦。
- 総力戦研究所所長として摸擬内閣を組織。陸軍少将。
- 陸軍中佐。摸擬内閣メンバーと接触を持つ。
- 陸軍省軍務局長。陸軍少将。
- 陸軍省軍務局高級課員で陸軍中佐。総力戦研究所の設立に関与し、宇治田と通じている。
- 陸軍大臣を経て近衛辞任後の内閣総理大臣。
事故
2025年4月2日、京都府船井郡京丹波町のロケーション施設で、戦場シーンで準備していた音と煙を出すための火薬を使った装置が撮影前に誤って作動する事故が発生し、アクション専門の出演者5人が耳鳴りなどの症状を訴え、うち1人が左耳の鼓膜の一部を損傷するけがをした[6]。
脚注
- ^ “太平洋戦争「開戦の日」に考えてほしいこと”. 東洋経済オンライン. (2017年12月8日) 2021年12月9日閲覧。
- ^ “30代は開戦前に「敗戦」を予測 歴史に埋もれた「総力戦研究所」から学ぶこと《終戦の日》”. ハフポスト. (2018年8月15日) 2021年12月9日閲覧。
- ^ “負けると分かっている戦争へ日本が突き進んだのはなぜだったのか?”. 西日本新聞me. (2020年8月7日) 2021年12月9日閲覧。
- ^ a b c “Nスぺ、戦後80年ドラマ『シミュレーション』制作開始 主演は池松壮亮 舞台は“総力戦研究所””. クランクイン! (2025年3月27日). 2025年4月7日閲覧。
- ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u “Nスぺドラマ「シミュレーション」メインビジュアル・題字&音楽、新キャストを発表!”. NHK (2025年7月16日). 2025年7月16日閲覧。
- ^ “NHK、ドラマ撮影中に出演者が鼓膜損傷 火薬使った装置が誤作動”. 朝日新聞 (2025年4月7日). 2025年4月7日閲覧。
関連項目
外部リンク
- 昭和16年夏の敗戦のページへのリンク