明治以降の歴史的仮名遣いとは? わかりやすく解説

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明治以降の歴史的仮名遣い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 08:47 UTC 版)

仮名遣い」の記事における「明治以降の歴史的仮名遣い」の解説

明治政府中央集権的に諸制度整備していったが、学制公布に伴い学校教科書日本語をも整備していった。その際歴史的仮名遣い採用された。歴史的仮名遣い推進者物集高見もずめたかみ)あるいは榊原芳野とされる榊原は『小学読本』(明治6年1873年)の例言において、ア行のイとヤ行のイ、ア行のウとワ行のウ、ア行のエとヤ行のエを区別しないとし、ここで歴史的仮名遣いがいろは47文字(「ん」を含めて48字)の体系となった大槻文彦近代的な国語辞書言海』を著し1891年明治24年〉)、ここで採用され歴史的仮名遣い一般への普及役立ったこのようにして整備され歴史的仮名遣いは、契沖仮名遣い和文国学者限られていたのに対し学制言文一致運動以後口語文でも用いられていった。しかし完全には守られず、一般への普及には数十かかった例え明治初期仮名垣魯文樋口一葉はいまだ恣意的な仮名遣いであったが、夏目漱石に至るとほとんど歴史的仮名遣い統一されるもののいまだ合わない例も見られ石川啄木至って合わない例がある。 しかしそもそも正し歴史的仮名遣い確定することの難しい語もある。1912年大正元年)と1915年大正4年)に文部省国語調査委員会は『疑問仮名遣』(前後編)を発行し最新の研究に基づく正し仮名遣い決定しようとした。『竹取物語』『伊勢物語』などは平安時代写本がないので仮名遣い確かな資料にはならない。そのため平安時代資料には訓点資料多数採用された。この研究によって「あるいは」「もちゐる」などが確定したこのようにして契沖以来歴史的仮名遣いは、大正至って一応の完成見た。しかし「うずくまる」「いちょう鴨脚子)」「がへんず(肯)」など、いまだに説が分かれていたり、確定みていない語も残っている。そもそも平安時代存在しなかった語形(「-ましょう」など)に対して歴史的仮名遣い決定することには無理があるとの考えもある。 漢字音仮名遣い字音仮名遣い)については更に後世の研究に待つことになった例え本居宣長は「推」「類」などを「スヰ」「ルヰ」としたが、満田新造1920年大正9年)に「スイ」「ルイ」の形が正しいと主張し古例みなそうであることが大矢透などによって確かめられた。同様に「衆」「中」などを宣長は「シユウ」「チユウ」としたが、現在は契沖採用したシウ」「チウ」の方が古例であることがわかっている。しかしこのような学問的に決められ仮名遣いは、必ずしも一般国語辞典漢和辞典にすぐに採用されたわけではなく旧説新説混在することもあった。「スイ」「ルイ」の説は、『明解古語辞典』(1953年)をはじめとして日本国語大辞典』(1972年1976年)、『古語大辞典』(1983年)、『角川古語大辞典』(1982年)などに新説採用されたが、『大漢和辞典』(1955年1960年)では旧説「スヰ」「ルヰ」のままであるこのように字音仮名遣いいまだに完成していない。

※この「明治以降の歴史的仮名遣い」の解説は、「仮名遣い」の解説の一部です。
「明治以降の歴史的仮名遣い」を含む「仮名遣い」の記事については、「仮名遣い」の概要を参照ください。

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