契沖仮名遣いとは? わかりやすく解説

契沖仮名遣い

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/14 08:47 UTC 版)

仮名遣い」の記事における「契沖仮名遣い」の解説

元禄時代になって国学興るとともに契沖奈良時代から平安時代中期文献元に和字正濫抄』(わじしょうらんしょう)を著した1695年刊)。契沖徹底的に文献に基づく実証的な研究行った。そこで、定家仮名遣い上代文献とは相違することを突き止め、「濫れを正す」とした。 契沖仮名遣いはすぐに受け入れられたわけではなかった。 成員は『倭字古今通例全書』を著して契沖仮名遣いとは異なり定家仮名遣いに近い仮名遣い示した契沖はこれを自著対す批判受け取り、『和字正濫通妨抄』で感情的な反論をしたがこれはついに出版されなかった。 契沖仮名遣いで用いられる仮名体系は、いろは47文字体系解釈するのである。つまりア行のエとヤ行のエの区別上代特殊仮名遣区別などは採用されなかった。また契沖五十音図作成したが、「を」をア行に、「お」をワ行宛ててしまった。これは後に本居宣長によって、現在と同じよう位置訂正された。 江戸時代中期には契沖仮名遣いを継承する国学者現れた。楫取魚彦かとりなひこ)の『古言梯』(こげんていふることかけはし1768年ごろから刊)、そして本居宣長の『字音仮字用格』(じおんかなづかいもじごえかなづかい、1776刊)である。 宣長は、中国漢字音整理した韻鏡』なども利用して日本漢字音仮名遣い体系的に整理したその結果万葉仮名の「お」「を」がそれぞれア行ワ行属することが明らかになった。しかし、韻尾の -n と -m の区別廃して一律に「-ム」としてしまった。これが誤りであることは後述する。その他に後代賛成得られなかった点は少なくないが、字音仮名遣い研究基礎となったそのほか白井広蔭『音韻仮字用例』(おんいんかなようれい1860刊)などもある。 契沖仮名遣いは、和歌和文国学著作用いられたが、日常俗文をも規制するものではなかった。宣長俗文作文する際には当時一般仮名用い方をしている。

※この「契沖仮名遣い」の解説は、「仮名遣い」の解説の一部です。
「契沖仮名遣い」を含む「仮名遣い」の記事については、「仮名遣い」の概要を参照ください。

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