既知の災害
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/19 03:37 UTC 版)
核戦争・生物戦:冷戦期を超える軍備拡張競争が起こって大量破壊兵器の際限なき増加が続き、それらが第三次世界大戦の勃発によって放出され人類を滅亡に追いやる、などというもの。 パンデミック: ウイルスやプリオン、抗生物質耐性を持つ細菌などが大発生し、全人類に感染して死滅させるというもの。歴史上では1918年にスペインかぜが全世界で流行し、アメリカの先住民族を激減させるなどの甚大な被害をもたらした。同じ致死性の高い感染症でも、ヒトのみに感染するものであれば、感染力は人口密度に依存し、人類を完全に滅ぼすに至る可能性は低いが、複数種の生物に感染するものであれば、人間以外の宿主を媒介して、孤立した人間コミュニティにも伝播する恐れがある。アメリカ合衆国連邦政府は、人為的に制作された病原体なら、人類を絶滅させることも可能であり、しかもそのようなものを作るための障壁は低いと警鐘を鳴らしている。その一方で、各国はそのような事態を「認識し、効果的に介入」して病原体の拡散を食い止め、人類滅亡を防ぐことが出来る、とも主張している。 気候変動:人類が過剰に排出している二酸化炭素などの温室効果ガスによって地球温暖化が進行し、地球が生命存続不能な惑星になる、などというもの。二酸化炭素情報分析センター(CDIAC)によれば、ここ100年間の二酸化炭素排出量は、人口増加に伴って4倍近くにもなっている。そのほかにも、より長期的に見れば日射量の変化(ミランコビッチ・サイクル)などによっても地球環境が大きく変化する可能性がある。 人口減少社会:現在の発展途上国が先進国の水準に到達することで、現在の先進国のような少子化が世界的に発生し、永続的に人口が減少していくというもの。人口統計学上の推定では、西暦3000年以前に人類が絶滅する、としているものもある。カナダの分析哲学者ジョン・A・レスリーは、もし世界の出生率がドイツの水準もしくは日本の水準にまで落ちるとすれば、2400年の時点で人類は滅亡すると計算している。一方で、進化生物学上の人口転換論では、少産少死状態を抜けた第五段階で人口が回復に向かうという可能性が提示されている。 地学的・天文学的災害:地球近傍天体の衝突やニアミス、天の川銀河内でのガンマ線バースト発生、破局噴火、長周期の気候変動などによるもの。特に地球近傍天体(NEOs)は、いつ人類に滅亡をもたらしてもおかしくない絶対的な脅威である。たった一回の地球外での出来事でも、歴史上の人間同士の戦争や疫病によるものをはるかに超える死者が出る可能性がある。
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