第五段階
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 05:20 UTC 版)
少子化が続くとやがて高齢化と人口減少が急速に進み、上図eのような高齢世代にボリュームがあり、そこから若くなるにつれて細くなってゆく形の人口ピラミッドとなる。世界で最も高齢化率が高い日本などはすでにこの形に近づきつつある。また将来的には、日本同様平均寿命が長く少子化が続いている韓国や台湾のほか、クロアチア、ギリシャ、スペインといった南欧の国々でもこの形になるとみられている。NHKの「縮小ニッポンの衝撃」では棺桶型と表現されていた。 第五段階以降については、やがて出生率が回復し再び釣鐘型に近い状態に戻るとする予測と、出生率は回復せず上図eのような形を保ったまま減少が続くとする予測が出されている。ただし国家単位でこの段階に突入したケースは21世紀前半の現時点では未だ存在しないため、断定できない状態である。 経済成長が急速に進むと、段階の移り変わりもより速い。例えば中国・台湾・韓国などの東アジア諸国は、第三段階(釣鐘型)をほとんど経ることなくつぼ型へと変化している。これらの国々は1990年代から2000年代頃にかけての急速な経済成長に伴って出生率も急激に低下し、高齢化率が欧米や日本に比べてまだ低い時期に、すでに年少人口比率は世界最低レベルまで低下した。人口ピラミッドは上端と下部がすぼみ、中央部が大きく膨らんだダイヤのような形になる。これはすなわち生産年齢人口の割合が非常に高いことを意味するが、将来的には生産年齢人口にあるボリュームゾーンが一気に高齢者になるため、高齢化率の急激な上昇による社会保障制度への大きな負担が懸念される。 また、中には北朝鮮やウクライナのように経済的には非常に貧しいにもかかわらず釣鐘型・つぼ型になっている国や、逆にイスラエルのように所得が高くてもピラミッド型を維持している国も存在する。 ウクライナの人口ピラミッド 北朝鮮の人口ピラミッド イスラエルの人口ピラミッド
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