教育におけるグラフ電卓
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/07 10:20 UTC 版)
「グラフ電卓」の記事における「教育におけるグラフ電卓」の解説
北アメリカ 高校の数学教師は教室内でグラフ電卓を使用することを生徒に許可はおろか推奨までする。いくつかの場合においては(特に微積分コースにおいて)、グラフ電卓は必須である。なお、完全な周期表を内蔵している一部のグラフ電卓は、化学や物理などの授業では禁止されている。 アメリカ合衆国大学入学試験委員会 (The College Board) QWERTY配列キーボードがないグラフ電卓ならば、大半のグラフ電卓とCAS電卓の使用をAP試験とSAT試験で許可している。しかし、同委員会とは無関係なACT試験と国際バカロレア(IB)認定校はCAS(数式処理システム)の使用を禁じている。 イギリス グラフ電卓はAレベル数学コース(あらゆる種類の電卓が禁止されているC1課程を除く)で許可されている。しかしながら、グラフ電卓は必須ではなく、試験はおおよそ電卓に依存しないように作られている。同様にGCSE(一般教育証明試験)において、全ての現行コースはあらゆる種類の電卓の使用を許可しない試験を1つ含んでいる。しかし、それ以外の試験で生徒はグラフ電卓の使用を許可されている。GCSEにおいてグラフ電卓の使用は一般的ではない。金銭的負担になりがちなためである。CASの使用はAレベルでもGCSEでも許可されていない。スコットランドのSQA(スコットランド資格認定局)は数学試験においてグラフ電卓の使用を許可している(電卓の使用を完全に禁止している paper 1 試験を除く)。しかしながら、試験中に特定の機能や情報を電卓に搭載するのは禁じられているので、試験前に試験監督によって確認されたり、試験センターによって配られた電卓だけを使ったりする。SQA試験はグラフ電卓を好んでおらず、満点を取るためには計算過程を全て示さないといけないので、グラフ電卓を使わない受験者よりもグラフ電卓を使う受験者が圧倒的有利にならないようになっている。 フィンランド・スロベニア周辺地域 数学の試験においてCAS(数式処理システム)あるいは3Dグラフィックス機能を搭載した電卓の使用を禁じている。しかしながら、フィンランドの場合は変化が生じている。2012年春以降からCAS電卓の使用が許可されているからである。 ノルウェー IR通信のようなワイヤレス通信機能を持つ電卓はいくつかの技術系大学で禁止されてきた。 オーストラリア 方針が州によって異なる。ビクトリア州 VCE(ビクトリア州教育証明書)は数学の試験で使用可能な公認電卓を指定している。高等数学 (Further Mathematics) のために公認されたグラフ電卓(例えば、TI-83 シリーズ/TI-84 Plus シリーズ, Casio 9860, HP-39G)あるいはCAS電卓(例えば、TI-89 シリーズ, Classpad 300, HP 40G)が使用可能である。VCEの数学試験(Mathematical Methods)と数学試験CAS(Mathematical Methods CAS)は Examination 1 と Examination2 から構成される。Examination 1 は短い回答の問題と長い回答の問題から構成される電卓禁止の共通試験である。Examination 2 は長い回答の問題と選択問題から構成されるグラフ電卓の使用を想定した試験である。グラフ電卓は数学試験と数学試験CASのために想定されたものである。これらの2つの試験は共通して基本的な問題を含んでいるが、特徴的な問題も含んでいる。Specialist Mathematics 試験も同様に Examination 1 と Examination2 から構成され、Examination 2ではグラフ電卓とCAS電卓の使用が想定されている。グラフ電卓のメモリをクリアすることは必須ではない。物理や化学のような科目では、普通の関数電卓だけが使用可能である。 西オーストラリア州 Tertiary Entrance Examination(西オーストラリア州の大学入学試験)の数学は電卓を使用する部分があり、生徒がグラフ電卓を使うことを想定している。CAS電卓も許可されている。物理、化学、会計のような科目では、プログラミングできない電卓だけが使用可能である。 ニューサウスウェールズ州 グラフ電卓は Higher School Certificate 試験(ニューサウスウェールズ州の大学入学試験)の一般数学で使用可能である。しかし、高レベル数学コースでは禁止されている。 中国 一般的に電卓は初等教育と中等教育で禁止されている。[要出典] インド 電卓は初等教育と中等教育で禁止されている。大学では電卓の使用における大学毎の独自のルールがあり、試験では許可されたモデルの電卓を使用する。 ニュージーランド 標準規定あるいは科目の規定によって特別に許可されない限り、高性能な代数操作機能を持つと認定された電卓はNCEA試験で禁止されている。禁止された電卓はTI-89 シリーズのような電卓を含んでいる。 トルコ あらゆる種類の電卓が全ての初等教育と高校で禁止されている。国際バカロレア(IB)認定校とアメリカンスクールは除く。[要出典] シンガポール ジュニアカレッジ(日本の高校に相当)で使われている。GCE'A'レベル試験の数学で必須である。ほとんどの学校はTI-84 PlusあるいはTI-84 Plus Silver Editionを使っている。 オランダ 高校生(VWOという日本の中学および高校に相当する6年制教育)は最後の3年間で試験の間にグラフ電卓の使用を義務付けられる。ほとんどの学生は TI-83 PlusあるいはTI-84 Plusを使用するが、Casio fx-9860G と HP 39Gを含む他のグラフ電卓も許可されている。通常電卓に代わってグラフ電卓はテストの間にほとんどの場合で使用が許可されている。このことは、事前にグラフ電卓をカンニングペーパーになるようにしたり、リンクケーブルを使ってテスト開始前にデータ交換をするという結果にときどきなってしまう。 イスラエル グラフ電卓は Bagrut(アメリカのSATに相当)の数学試験で使用を禁じられている。それに加えてプログラミング電卓も使用できない。大学では電卓の使用における大学毎の独自のルールがあり、試験では許可されたモデルの電卓を使用する。
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