支給要素
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/13 01:55 UTC 版)
「勤労者タックスクレジット」の記事における「支給要素」の解説
税額控除額に逓増部分がなく、その代わりに就労時間の要件が設定されていることである。子を有する場合は16歳以上の者が、子を有しない場合は25歳以上の者が対象となり得る。給付額は、労働時間や収入(カップルの場合は合計収入)の多寡、障害の有無と程度、子どもの人数と年齢、育児費用の有無によって決定される。就労税額控除を構成する要素は,以下のとおりである。まず、基礎となる基本要素に加えて、夫婦もしくは片親、週労働30時間加算、障害労働者加算、重度障害加算、育児加算である。注目されるのは、就労時間が30時間を超えると給付が追加され、より長時間の労働が有利とされていることである。 具体的には、扶養児童(16歳未満の子、又は16歳以上20歳未満でフルタイムの教育若しくは訓練を受けている子)を有するカップルや一人親がWTCを受けるためには、カップルの場合は両方とも16歳以上(一人親の場合も同様)であって、両方を合わせて最低週24時間かつ一方が最低で週16時間(一人親の場合は最低週16時間)の就労をしていなければならない(基礎的控除部分、最大3,040ポンド)。 フルタイム就労への移行を促すために、カップルの片方が最低週30時間の就労をしている場合、又は両方を合わせて最低週30時間かつ片方が最低で週16時間以上の就労をしている場合には、控除額が追加される(週30時間以上の労働に従事する者に対する控除部分、最大825ポンド)。最大控除額は、夫婦子2人の場合、5,910ポンドとなる(以下3項目の合計額。基礎的控除部分、配偶者を有する者及び一人親に対する控除部分、週30時間以上の労働に対する控除部分)。 このほか、育配偶者の就労を促進するために、両方とも最低週16時間働くカップルに(一人親の場合も同様)、育児費用の税額控除が認められ(児童ケア要素)、最大で、保育園や学童クラブなどのうち認可された一定の施設に支払った育児支出(子[15歳未満]2人以上の場合、週当たり300ポンドが上限)の70%相当額が税額控除される。就労税額控除の受給自体には有子要件はないものの、制度内部においては家族の状況を反映させるシステムとなっている。とくに、児童扶養税額控除とは別建てで就労税額控除のなかに育児加算が設けられたことは、共働きを選択することで保育施設などに要する子どもの養育費を軽減するという意義がある。 単身者や子どものいないカップルがWTCを受けるためには、当該単身者又は当該カップルのいずれかが、25歳以上かつ最低週30時間以上の就労をしていなければならない。イギリスの所得税の課税単位は個人であるが、WTCの申請に当たっては、カップルは共同で行う必要がある。なお、以前は資産要件が設けられていたが、低所得者の貯蓄を阻害するとして、2003年に廃止された。また、WTCの導入当初は、給与の源泉徴収の仕組みを通じて、雇用者が税額と相殺の上で給付する仕組みであったが、この仕組みは後に雇用者の負担を考慮して廃止された。 まとめると、支給要素は、年間額にして以下となる。 基礎要素 £2,005 - すべての人に支給される (2021/22時点) 夫婦もしくは片親 (£2,060) 週当たり30時間の労働 (£830) 障碍者として労働(£3,240) 重度障碍者として労働 (£1,400) これら要素の合計額となる。例えばある夫婦の場合は以下となる。 Elements = £2,005 + £2,060 = £4,065
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