押しがけスタートとは? わかりやすく解説

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押しがけスタート

英語 push start

モータースポーツでは、競技中は自らの車両独自で、あるいはフォーミュラカーのように外部からの始動装置によってエンジンをかけ、スタートしなければならないが、これが不可能な場合人間の手で押すことでエンジン始動するととを押しがけという。通常のレースでは、これはペナルティを受ける。カートレース場合は、ドライバー押しがけをするのは許される

※「大車林」の内容は、発行日である2004年時点の情報となっております。

ロードレース世界選手権のレギュレーション

(押しがけスタート から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/30 07:06 UTC 版)

ロードレース世界選手権 > ロードレース世界選手権のレギュレーション

ロードレース世界選手権のレギュレーション(ロードレースせかいせんしゅけんのレギュレーション)では、ロードレース世界選手権(WGP/MotoGP)の規則(レギュレーション、regulation)などについて書き記す。

規則

スタート方式

押しがけスタート

横乗り 
押しがけスタート時の横乗り[1]

押しがけスタートとは、あらかじめギヤを1速または2速に入れておき、ライダーがクラッチレバーを握ってクラッチを切った状態でマシンを押して前へ動かし、ある程度スピードが出た時点でクラッチレバーを離してクラッチをつないでエンジンを始動させてスタートするスタート方式のこと[2]。押しがけスタートは1986年を最後に廃止され、クラッチスタートに移行した[3]

押しがけスタートではエンジンが始動したらマシンの飛び乗ることになるが、飛び乗り方には主に二つのやり方がある。その一つはすぐにマシンに跨がる飛び乗り方で、フレディ・スペンサーはこのやり方である。もう一つはマシンに跨がらずに横乗りする飛び乗り方で、片山敬済はこのやり方である。横乗りの利点は、スタートに失敗してエンジンが停止した場合に素早くマシンから降りることができるので、再度押しがけするまでの時間が短いことである。跨がった状態でエンジンが停止すると、マシンから降りるまでの時間が横乗りの場合よりもかかり、その分だけタイムロスになる[4]。一方、すぐにマシンに跨がる飛び乗り方では、加速しながら跨がるように乗り替える横乗り方式に比較して、より早くシフトアップも含めたフル加速状態に持ち込めると考えられる。

片山は押しがけ前の準備として、ピストン上死点付近まで上昇させていた。ギヤを入れてクラッチレバーを離し、クラッチをつないだ状態でマシンを後方に移動させるとマシンの動きが重くなる位置がある。そこがピストンが上死点付近まで上昇してシリンダー内部が圧縮された位置で、この位置から押しがけスタートを始めるようにしていた。押しがけスタート時はマシンを前方に押し出すので、シリンダー内部の気圧が低下する方向にピストンを動かす(下げる)ことができ、シリンダー内部で圧縮されていた気体による圧力がピストンを押し下げるので、マシンを前方に押し出しやすい[5]

押しがけスタートでは、後方のスターティンググリッドからスタートするライダーは前方のライダーがスタートに失敗した場合に備えて細心の注意を払う必要がある[5][6]1986年第1戦スペインGP(ハラマ)250ccクラスのスタートでは、平忠彦が後方からスタートしたライダーに衝突されて足を骨折する事故が発生し[7]レッドフラグが振られ、レースが中断する事態になった[8]

クラッチスタート

クラッチスタートとは、あらかじめエンジンを始動させたマシンにライダーが跨ってスターティンググリッドに並び、クラッチレバーを握ってギヤを入れた状態でスタートの合図を待ち、シグナルがになったらクラッチレバーを離してスタートするスタート方式のこと[9]1987年から従来の押しがけスタートに代わってクラッチスタートになる[3]

ポイント制度

ロードレース世界選手権では各決勝レースの順位ごとにライダーとメーカーが獲得するポイントが定められているが、ポイント制度は改正が行われており、主な改正は次の通り[10]

1949年

1949年シーズンの制度では、ポイントは決勝レースで5位以内に入ったライダーに与えられる。ファーステストラップを出したライダーには更に1ポイント加点される。選手権は、シーズン全戦の中で高ポイントを獲得した3戦の合計ポイントで競う[10]。今シーズンは、500ccクラスは全6戦、350ccクラスが全5戦、250ccクラスが全4戦、125ccクラスが全3戦[11]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5
ポイント 10 8 7 5 5

1950年

1950年シーズンの制度では、ポイントは決勝レースで6位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は、レース数が3戦または4戦の場合は全戦で獲得した合計ポイントで競う。5戦以上ある場合はその中で高ポイントを獲得した4戦の合計ポイントで競う[10]。今シーズンは、500ccクラスが全6戦、350ccクラスが全6戦、250ccクラスが全4戦、125ccクラスが全3戦[11]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6
ポイント 8 6 4 3 2 1

1951年 - 1957年

1951年から1957年までの期間の制度では、ポイントは決勝レースで6位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は、レース数が3戦または4戦の場合は全戦で獲得した合計ポイントで競う。5戦 - 7戦の場合はその中で高ポイントを獲得した4戦の合計ポイントで競う。8戦以上ある場合はその中で高ポイントを獲得した5戦の合計ポイントで競う[10]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6
ポイント 8 6 4 3 2 1
各シーズン各クラスごとのレース数[12]
シーズン 500ccクラス 350ccクラス 250ccクラス 125ccクラス
1951年 8 8 5 4
1952年 8 7 6 6
1953年 8 7 7 6
1954年 8 9 7 6
1955年 8 7 5 6
1956年 6 6 6 6
1957年 6 6 6 6

1958年 - 1968年

1958年から1968年までの期間の制度では、ポイントは決勝レースで6位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は、最低3戦のレースで獲得したポイントで競う。3戦の場合は全戦で獲得した合計ポイントで競う。4戦以上ある場合は、全戦の中で高ポイントを獲得したX戦の合計ポイントで競う。選手権で有効となるレース数Xは、全レース数Tを2で除算した値に1を加算後、小数点以下を切り捨てた整数値[10]

ポイント有効レース数Xの算出式
X = T ÷ 2 + 1(小数点以下切り捨て)
選手権は、全レースの中で高ポイントを獲得したX戦の合計ポイントで競う。
例1.そのシーズンの全レース数が9戦の場合
X = 9 ÷ 2 + 1 → 5(小数点以下切り捨て)
全9戦中、高ポイントを獲得した5戦の合計ポイントで選手権を競う。
例2.そのシーズンの全レース数が10戦の場合
X = 10 ÷ 2 + 1 → 6
全10戦中、高ポイントを獲得した6戦の合計ポイントで選手権を競う。


ポイント制度とレース数は次の通り。

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6
ポイント 8 6 4 3 2 1
各シーズン各クラスごとのレース数[13]
シーズン 500ccクラス 350ccクラス 250ccクラス 125ccクラス 50ccクラス 備  考
1958年 7 7 6 7
1959年 7 6 6 7
1960年 7 5 6 5
1961年 10 7 11 11
1962年 8 6 10 11 10 50ccクラス開始
1963年 8 7 10 12 9
1964年 9 8 11 11 8
1965年 10 9 13 12 8
1966年 9 10 12 10 6
1967年 10 8 13 12 7
1968年 10 7 10 9 5

1969年 - 1975年

1969年から1975年までの期間の制度では、ポイントは決勝レースで10位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は競う上での有効ポイントについては変更なし[10]


ポイント制度とレース数は次の通り。

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ポイント 15 12 10 8 6 5 4 3 2 1
各シーズン各クラスごとのレース数[14]
シーズン 500ccクラス 350ccクラス 250ccクラス 125ccクラス 50ccクラス
1969年 12 10 12 11 10
1970年 11 10 12 11 10
1971年 11 11 12 11 9
1972年 13 12 13 13 8
1973年 11 11 11 12 7
1974年 10 10 10 10 10
1975年 10 10 11 10 8

1976年

1976年の制度では、ポイントは決勝レースで10以内に入ったライダーに与えられる。選手権は、シーズン前半とシーズン後半の2つに分けて有効ポイントを算出し、その合計ポイントで選手権を競う。各シーズンは最低3戦のレースで獲得したポイントで競う。3戦の場合は各シーズン全戦で獲得した合計ポイントで競う。各シーズンのレース数が4戦以上ある場合は全戦の中で高ポイントを獲得したX戦の合計ポイントで競う。選手権で有効となるレース数Xは、全レース数Tを2で除算した値に1を加算後、小数点以下を切り捨てた整数値[10]。各クラスの全レース数(前半レース数 / 後半レース数)は、500ccクラスが全10戦(5戦 / 5戦)、350ccクラスが全10戦(5戦 / 5戦)、250ccクラスが全11戦(5戦 / 6戦)、125ccクラスが全9戦(4戦 / 5戦)、50ccクラスが全9戦(4戦 / 5戦)[15]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ポイント 15 12 10 8 6 5 4 3 2 1
ポイント有効レース数の算出式[10]
前半シーズンでの有効ポイントの対象となるレース数X1は、前半シーズンのレース数T1を除算した値に1を加算後、小数点以下を切り捨てた整数値。
X1 = T1 ÷ 2 + 1(小数点以下切り捨て)
選手権では、前半シーズンの全レースの中で高ポイントを獲得したX1戦の合計ポイントP1が対象となる。
後半シーズンでの有効ポイントの対象となるレース数X2は、後半シーズンのレース数T2を除算した値に2を加算後、小数点以下を切り捨てた整数値。
X2 = T2 ÷ 2 + 1(小数点以下切り捨て)
選手権では、後半シーズンの全レースの中で高ポイントを獲得したX2戦の合計ポイントP2が対象となる。
そのシーズンの選手権を競う上で対象となるポイントPは前半シーズンで獲得したポイントP1と後半シーズンで獲得したポイントP2の合計。
P = P1 + P2
例.バリー・シーンの場合
今シーズンの500ccクラス世界チャンピオン バリー・シーンスズキ XR14 RG500[16])のポイントは次のようになる。
1976年シーズンの500ccクラスの全レース数は10戦。今シーズンに獲得したポイントは「15 - 15 - 15 - 0 - 15 - 12 - 15 - 0 - 0 - 0」(総計87ポイント)。
選手権の対象となる前半シーズンのレース数X1
X1 = 5 ÷ 2 + 1 → 3(小数点以下切り捨て)
となり、5戦中で高ポイントを獲得した3戦の合計ポイントが前半シーズンの選手権の対象となる有効ポイントP1となる。
前半シーズン5戦で獲得したポイントは「15 - 15 - 15 - 0 - 15」(総計60ポイント)、有効ポイント
P1 = (15 + 15 + 15) = 45
選手権の対象となる後半シーズンのレース数X2
X2 = 5 ÷ 2 + 1 → 3(小数点以下切り捨て)
となり、5戦中で高ポイントを獲得した3戦の合計ポイントが後半シーズンの選手権の対象となる有効ポイントP2となる。
後半シーズン5戦で獲得したポイントは「12 - 15 - 0 - 0 - 0」(総計27ポイント)、有効ポイント
P2 = (15 + 12 + 0) = 27
選手権の対象となるポイントPは前半シーズンの有効ポイントP1(45ポイント)と後半シーズンの有効ポイントP2(27ポイント)の合計になり
P = P1 + P2 = 45 + 27 = 72
今シーズンは、シーンが72ポイントを獲得して世界チャンピオンになった。

1977年 - 1987年

1977年から1987年までの期間の制度では、ポイントは決勝レースで10位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は全レースで獲得した総計ポイントで競う[10]。またこの期間には、1982年シーズンを最後に350ccクラスが廃止され、1983年シーズンは500ccクラスと250ccクラス、125ccクラス、50ccクラスの4クラスの開催になる。そして同シーズンを最後に50ccクラスが廃止となり、1984年シーズンからは80ccクラスが開催され、500ccクラスと250ccクラス、125ccクラス、80ccクラスの4クラスの開催になる[17]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ポイント 15 12 10 8 6 5 4 3 2 1

1988年 - 1990年

1988年から1990年までの期間の制度では、ポイントは決勝レースで15位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は全レースで獲得した総計ポイントで競う[10]。またこの期間には、1989年シーズンを最後に80ccクラスが廃止され、1990年シーズンは500ccクラスと250ccクラス、125ccクラスの3クラスの開催になる[18]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
ポイント 20 17 15 13 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1

1991年

1991年の制度では、ポイントは決勝レースで15位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は、全レースの中から低ポイントだった2戦を除外したポイントで競う[10]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
ポイント 20 17 15 13 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1
例.ウェイン・レイニーとミック・ドゥーハンの場合
今シーズンの世界チャンピオン ウェイン・レイニーヤマハ YZR500 OWD3[19])とランキング2位のミック・ドゥーハンホンダ NSR500[20])が獲得した総計ポイントと選手権の対象となる有効ポイントは次のようになる。
レイニー:「15 - 20 - 20 - 15 - 7 - 17 - 17 - 20 - 17 - 20 - 17 - 20 - 20 - 15 - 0」(総計240ポイント)、有効ポイント233
ドゥーハン:「17 - 17 - 17 - 20 - 20 - 15 - 20 - 17 - 0 - 17 - 15 - 15 - 17 - 17 - 15」(総計239ポイント)、有効ポイント224

1992年

1992年の制度では、ポイントは決勝レースで10位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は全レースで獲得した総計ポイントで競う[10]

順位とポイント[10]
順  位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
ポイント 20 15 12 10 8 6 4 3 2 1

1993年 - 2009年

1993年から2009年までの期間の制度では、ポイントは決勝レースで15位以内に入ったライダーに与えられる。選手権は全レースで獲得したポイントで競う[21][22][23]

順位とポイント[21][22][23]
順  位 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15
ポイント 25 20 16 13 11 10 9 8 7 6 5 4 3 2 1

脚注

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  1. ^ 片山敬済 AURA LEGEND』(p59、下写真)より。
  2. ^ 押しがけ」(ヤマハ発動機)より。
  3. ^ a b Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, p. 134
  4. ^ 片山敬済 AURA LEGEND』(p58, p59)より。
  5. ^ a b 片山敬済 AURA LEGEND』(p58)より。
  6. ^ エンジンがかからず、ライダーがマシンを押し続けていることがある。
  7. ^ YAMAHA RACING GLORY Since1955 - ヤマハ栄光の記録』(p105)より。
  8. ^ Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, p. 126
  9. ^ 全日本ロードレースって?」(本田技研工業)より。
  10. ^ a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, p. 182
  11. ^ a b Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, p. 183
  12. ^ Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, pp. 184-187
  13. ^ Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, pp. 187-192
  14. ^ Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, pp. 193-196
  15. ^ Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, p. 196
  16. ^ The Grand Prix Motorcycle, pp. 100,101
  17. ^ Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, pp. 197-202
  18. ^ Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, pp. 202,203
  19. ^ The Grand Prix Motorcycle, p. 149
  20. ^ Honda : 200 victoires en catégorie reine !
  21. ^ a b 1993年 - 1998年: Dr Martin Raines, "GRAND PRIX RESULTS 1949-98", Motocourse: 50 Years of Moto Grand Prix, p. 182
  22. ^ a b 1999年 - 2008年: MotoGP Source Book: Sixty Years of World Championship Motorcycle Racing, pp. 212,216,220,224,228,232,236,240,244,248
  23. ^ a b 2009年:「1.28 選手権ポイント及び順位」『FIMロードレース 世界選手権グランプリ規則 2009年版』(p37、PDF:p40/91)より。

参考文献

ウェブサイト

書籍

  • 『YAMAHA RACING GLORY Since1955 - ヤマハ栄光の記録』 八重洲出版〈ヤエスメディアムック 230〉、2009年5月16日 発行。ISBN 978-4861441332
  • 片山敬済 『片山敬済 AURA LEGEND』 ベストバイク社・講談社〈別冊ベストバイク 6〉、1985年9月21日 第1刷発行、1986年3月1日 第4刷発行。ISBN 978-4061073760

関連文献

関連項目

外部リンク

レギュレーション(規則)

MotoGP公式ウェブサイト

国際モーターサイクリズム連盟(FIM)ウェブサイト(英語)

新聞出版社放送局などのウェブサイト


押しがけスタート

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2014/10/30 07:06 UTC 版)

ロードレース世界選手権のレギュレーション」の記事における「押しがけスタート」の解説

横乗り 押しがけスタートとは、あらかじめギヤを1速または2速に入れておき、ライダークラッチレバー握ってクラッチ切った状態でマシン押して前へ動かしある程度スピード出た時点クラッチレバー離してクラッチつないでエンジン始動させてスタートするスタート方式のこと。押しがけスタートは1986年最後に廃止されクラッチスタート移行した。 押しがけスタートではエンジン始動したマシン飛び乗ることになるが、飛び乗り方には主に二つやり方がある。その一つはすぐにマシン跨がる飛び乗り方で、フレディ・スペンサーはこのやり方である。もう一つマシンに跨がらずに横乗りする飛び乗り方で、片山敬済はこのやり方である。横乗り利点は、スタート失敗してエンジン停止した場合素早くマシンから降りることができるので、再度押しがけするまでの時間が短いことである。跨がった状態でエンジン停止すると、マシンから降りるまでの時間横乗り場合よりもかかり、その分だけタイムロスになる。一方、すぐにマシン跨がる飛び乗り方では、加速しながら跨がるように乗り替える横乗り方式比較して、より早くシフトアップ含めたフル加速状態に持ち込めると考えられる片山押しがけ前の準備として、ピストン上死点付近まで上昇させていた。ギヤ入れてクラッチレバー離しクラッチつないだ状態でマシン後方移動させるマシン動き重くなる位置がある。そこがピストン上死点付近まで上昇してシリンダー内部圧縮され位置で、この位置から押しがけスタートを始めるようにしていた。押しがけスタート時はマシン前方押し出すので、シリンダー内部気圧低下する方向ピストンを動かす(下げる)ことができ、シリンダー内部圧縮されていた気体による圧力ピストン押し下げるので、マシン前方押し出しやすい。 押しがけスタートでは、後方スターティンググリッドからスタートするライダー前方ライダースタート失敗した場合備えて細心の注意を払う必要がある1986年第1戦スペインGPハラマ250ccクラススタートでは、平忠彦後方からスタートしたライダー衝突されて足を骨折する事故発生し、レッドフラグが振られレース中断する事態になった

※この「押しがけスタート」の解説は、「ロードレース世界選手権のレギュレーション」の解説の一部です。
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