戦闘機マフィアとF-16とは? わかりやすく解説

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戦闘機マフィアとF-16

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/08/24 03:20 UTC 版)

ジョン・ボイド (軍人)」の記事における「戦闘機マフィアとF-16」の解説

しかしボイドは、このように見直されFXに対しても、なお不満を持っていた。その不満は、主に下記2点であった視程外射程BVR)での交戦重視した結果としてアビオニクス高度化し、機体価格の高騰から取得性が低下している点。 さまざまな性能要求によりFX機体当初見積もりよりも大きくなってしまったことなどE-M理論適用不徹底であるため、当時推定されていた仮想敵機に対して性能的に劣る危険がある点。 当時国防総省空軍には、ボイド以外にも同様の危惧を抱くものが現れていた。その一人が、システム分析担当国防次官補室に勤めるピア・スプレイであったスプレイは、重量1516トン級と、現行のFXより一回り小さく、かつE-M理論徹底的に適用した戦闘機として、FXX呼ばれる研究着手したF-XXはるかに安上がりなので、質のみならず量においてもソビエト空軍/防空軍戦闘機部隊凌駕するという目的構想された。空軍上層部FXX構想興味示したものの、仮にこれを採用した場合FX調達圧迫することが懸念されたことから、特にFX支持する将官たちから強い反発受けた。この結果ボイドスプレイ正面からの説得あきらめ地下活動移行することとなった。まもなく、3人目同志として、空軍省勤務戦闘機操縦士航空工学技術者であるE・リッチオニ大佐加わり、これら3名は戦闘機マフィア (Fighter Mafia) として知られる一派オピニオン・リーダーとなったボイドはじめとする戦闘機マフィア対す政治的逆風極めて強く例え戦闘機マフィア頭目自任していたリッチオニ大佐は、ジョン・マイヤー空軍参謀次長に対してFXX有用性説いたために、1970年には在韓米軍左遷され憂き目にあっている。 「F-16 (戦闘機)#開発史」も参照 このような逆風にもかかわらずボイド一派による説得工作進められた。当時海軍艦上戦闘機としてF-14の配備進められていたが、ボイドは、これもあまりに重く高価すぎることから、必ずこれを代替ないし補完する機体必要になる予測したうえで、その種の機体に関する研究海軍先んじなければ空軍は、海軍研究に基づく機体押し付けられることになりかねないという論理構築した。この論理はリッチオニ大佐によって正式に提案され1969年空軍上層部研究予算149,000ドル承認した研究ジェネラル・ダイナミクスノースロップ打診され、予算ジェネラル・ダイナミクスに49,000ドルノースロップ10万ドル配分された。 そして1971年ごろには、当時国副長官だったデビッド・パッカードが、CL-1200ランサー売り込み先を探していたケリー・ジョンソン助言によりこの計画興味持ったことから突破口開かれ先進技術実証機として軽量戦闘機LWFF-XX開発計画開始した1972年1月6日にはRFP発出された。 ただしこの時点では、LWF計画はあくまで実験的な計画であり、本当に装備化されるかどうか不透明であった空軍上層部中将達は、LWF計画立ち上げ最終ブリーフィング席上で、戦闘機マフィアに対して決定的なノックアウト与えることを目論んでいた。そしてブリーフィングが行なわれるはずであった当日ボイド将軍たちに対してLWF装備化する決定は既に下された旨、国防長官からの伝言として伝達した会場大騒ぎとなり、戦闘機マフィア完勝収めた1974年3月7日ジェームズ・R・シュレシンジャー国防長官は、LWF計画空戦戦闘機ACF計画発展させ、全面開発に移ることを発表したその後LWFNATO同盟国向けとしても注目されるようになり、計画はさらに加速したが、その分ボイドはじめとする戦闘機マフィア対す圧力は、幾何級数的に増大していくこととなった

※この「戦闘機マフィアとF-16」の解説は、「ジョン・ボイド (軍人)」の解説の一部です。
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