影響、翻案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/03 04:24 UTC 版)
アンドレ・ジッドはデュ・ガールとの書簡のやりとりのなかで、自作『贋金つくり』に『チボー家』からの影響があることを認めている。また宗教の異なる二人の青年の友情を描いている点において、イヴリン・ウォーの『回想のブライズヘッド』(Brideshead Revisited)に影響を与えているのではないかという意見もある。 日本では山内義雄が刊行後まもない1922年(大正11年)に翻訳を開始した。その後、戦争による中断などがあり、1952年(昭和27年)に全巻の翻訳が完結した。その間にも多くの人々に読まれていた。小津安二郎監督の1951年の映画『麦秋』には、後に結婚することになる紀子(原節子)と謙吉(二本柳寛)が東京の勤め先に向かう朝の北鎌倉駅ホームで「面白いですね『チボー家の人々』」「どこまでお読みになって」「まだ四巻目の半分です」「そう」という場面がある。後藤正治は『天人』(講談社pp.193-199)によれば、「天声人語」で有名になる前の深代惇郎が朝日新聞の「世界名作の旅」(1965年7月18日・25日)に上・下で『チボー家の人々』を「青春の墓標」として取り上げている。 高野文子の「黄色い本 ジャック・チボーという名の友人」(1999年)は、この作品を愛読する女学生の読書体験を漫画化した作品であり、主人公・実地子が田舎の学校生活を送りながらジャックの思想に共感し仮想の対話を行う場面などが描かれている。高野は本作を表題作とする短編集『黄色い本』で2003年、第7回手塚治虫文化賞を受賞している。 フランスでは連続テレビドラマとして、1972年(フランス語版)および2003年(フランス語版)と二度映像化されている(外部リンクも参照)。
※この「影響、翻案」の解説は、「チボー家の人々」の解説の一部です。
「影響、翻案」を含む「チボー家の人々」の記事については、「チボー家の人々」の概要を参照ください。
影響・翻案
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/09 15:51 UTC 版)
「ミヒャエル・コールハース」の記事における「影響・翻案」の解説
本作品はフランツ・カフカの愛読書のひとつであった。高等学校時代からクライストを愛読していたカフカは、不可解な訴訟の手続きに振り回された挙句処刑されてしまう男を描いた小説『審判』の執筆(1914-1915年)までに少なくとも三度『ミヒャエル・コールハース』を読んでいる。 E・L・ドクトロウの映画化もされた小説『ラグタイム』(1975年)では、メインプロットのひとつで「コールハウス・ウォーカー」(Coalhouse Walker)という人物が登場する、本作と流れのよく似た物語が扱われており、ドクトロウ自身この作品はクライストの作品に対する明確なオマージュとして書かれたと述べている。このほか現代ドイツの作家クリストフ・ハイン(ドイツ語版)に、「現代の(より幸福な)コールハース」という、1970年代の東ドイツを風刺した短編がある。 『ミヒャエル・コールハース』は、フォルカー・シュレンドルフ(1969年)、ジョン・バダム(1999年)、アルノー・ドゥ・パリエール(フランス語版)(2013年)などの映画監督によってこれまでに5度映画化されている(テレビ映画などを含む)。
※この「影響・翻案」の解説は、「ミヒャエル・コールハース」の解説の一部です。
「影響・翻案」を含む「ミヒャエル・コールハース」の記事については、「ミヒャエル・コールハース」の概要を参照ください。
- 影響翻案のページへのリンク