『黄色い本』とは? わかりやすく解説

『黄色い本』(2002年)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 14:20 UTC 版)

高野文子」の記事における「『黄色い本』(2002年)」の解説

詳細は「黄色い本」を参照 2002年作品集『黄色い本』刊行高野7年ぶりの単行本として話題になり、この作品集同年手塚治虫文化賞マンガ大賞受賞した表題作黄色い本」(1999年)は、青年誌月刊アフタヌーン』に掲載され72頁の読み切り作品である。雪国舞台に、作者同世代少女学校通いながら5巻本のチボー家の人々』をゆっくりと読み進めていく様を描いたもので、執筆開始から完成まで3年月日費やされている。作中では本の活字コマの中で「絵」として描き主人公少女小説の登場人物会話を交わすなど、読書体験表現するための様々な試みが行なわれている。絵柄読者作品を読むスピードコントロールするために意識的に単純化されており、主人公少女もあえて「かわいくない」造形選ばれた。斎藤環はこの作品を「いかなるフェティッシュとも無縁な漫画、という高み」に至った評している。 「黄色い本」は高野高校時代実際に1年かけて『チボー家の人々』を読んだ経験がもとになっている高野作品執筆の動機について「そもそも本なんか読んで漫画なんか描くことになったスタート描こう、と思った」と語っており、漫画を描くのはこれで最後にしようと思っていたとも述べている。作品描き終えた後は、資料にした中学時代からの日記も本も「思い出すこともすっからかんになって」すべて捨ててしまったという。「黄色い本」は発表直後こそ大きな反響無かったものの、単行本刊行され以降多数論者による批評・研究発表されている。呉智英は「黄色い本」を「田辺のつる」に並ぶ高野最高傑作であるとし「日本マンガ画期的作品として、長く読み継がれることになるだろう」と評した作品集『黄色い本』には他に、社内恋愛扱ったマヨネーズ」、高齢者向けのホームヘルパー題材にした「二の二の六」、冬野さほ同名作品リメイクした小品Cloudy Wednesday」を収めている。前2者について高野は、それまで自分作品になかった「大人エロ」を入れたつもりだと語っている。

※この「『黄色い本』(2002年)」の解説は、「高野文子」の解説の一部です。
「『黄色い本』(2002年)」を含む「高野文子」の記事については、「高野文子」の概要を参照ください。

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