張り方一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/21 08:57 UTC 版)
枚数配置/通称大中止角漢字表記/別称/備考/注意事項1点張り スイチ 4.5(4.6) - - - 素一本気(ポンキ),ピン張り 2点張り ケッタツ 3.5(3.6) 種 - - 脚立ケタツ,吸い付き ※中で受けると、賭け金が戻るため、中の札を「吸いの札」と言う 2点張り サブロク 3 0.5(0.6) - - 三六 or 三五(サンゴ)石塔高(セキトウキツ)カラ 2点張り グニ 2.5(2.6) 1 - - 五二四六(シロク),石塔(セキトウ),中張(ナカバリ) ※大と中の間に賭け金を置くことから「中張」と言う 3点張り ヤマポン 2.8(2.7) 種 種 - ヤマボン大和一本,大和の本, (大に和(合計)を集中させて一本にするという意味)本受(ボンウケ),大穴(ダイアナ) 3点張り ピンチュウキツカラ 2 0.8 種 - 一中高カラ※止の札の上に中の札を重ね、合力に了承を得る 3点張り ロクサンピン 2 0.6 0.2 - 六三一ロクゾウピン, 与兵衛(ヨヘエ) (『女殺油地獄』主人公、河内屋与兵衛は放蕩三昧(→三枚)だから) 3点張り ピンチュウ 1.5 1.3 種 - 一中※止の札の上に中の札を重ね、合力に了承を得る 3点張り クイチ 1.5 1 0.3 - 九一クッピン 3点張り テッポウ 1 1 0.8 - 鉄砲トマリ8分※角の位置にライター置き、合力に了承を得る 4点張り ソウダイ 2 種 種 -0.2(-0.25) 総大 4点張り キツ張り 1.4 0.6 種 -0.2(-0.25) 高(キツ)受け 4点張り 安張り 1.2 0.6 0.2 -0.2(-0.25) 七二一(シチニピン),安受(ヤスウケ),受け, 手並(テナミ),普通張り 4点張り トンパチ 1 0.8 0.2 -0.2 十八(トンパチ)※手配盆における賽本引きの配当 (合力の計算を簡単にするため) 4点張り 箱張り 1 1 -0.1 -0.1(-0.25) ※常盆における賽本引きの安張りは、この箱張りと同じ配当 (合力の計算を簡単にして、カスリ(上前)を多く取るため) 数字はオッズではなく配当で、賭け金に対して胴から支払われる倍率を示している。例えば、スイチで20万円を張って受かれば、賭け金の20万は戻され、配当金として胴前から90万円が支払われる。呼称や配当倍率も盆によって様々で微妙に異なり、寺銭の割合や「特別」と呼ばれる合力への礼金を計算に含めるか否かなどは、開帳者(主催者)である寺師(貸元もしくは代貸のことでもある)の取り決めによる。 配当の高い順に、大(だい)/頭(あたま)、中(なか/ちゅう)/軸(じく)/腰(こし)、止(とまり)/穴(けつ)、角(つの)/別(わかれ)と呼ばれる。これは競馬や競輪などで券を購入する際の「本命」「対抗」「押さえ」「保険」といった感覚に近い。張札を縦か横にするかの向き、前後の位置、さらに賭け金の配置場所によっても配当倍率が変化するので注意が必要である。「種(たね)」は配当が付かないので、賭け金をそのまま引き戻す。4点張りの角で当たっても、賭け金の2割(もしくは1/4)が差し引かれることになる。配当率1倍で当たることを「玉受け」と呼んだりする。 配当の合計値は、1点張は4.6倍、2点張は3.6倍、3点張は2.8倍(一部2.7倍)、4点張は1.8倍になるのが基本。オッズに換算して合計すると、1点張と2点張は5.6倍、3点張と4点張は5.8倍となり、カルタを厚く張り目を多くする方が少し張子に有利である。3,4点張りの場合、ギャンブルとしての期待値は96.777%、控除率は3.333%である。これは1万円賭けるごとに負ける平均値が333円であることを意味する。 自信のある札の下に賭け金を置いてスイチを重ねる「買物(買い物)」、3点張りの中と止にヤマポンを組み合わせる「貝割(かいわり)/割り込み」、安張りとヤマポンを組み合わせる「大和(やまと)」、張札を2面、3面使う「2個入り」「3個入り」、5枚張る「受け受け/三三受け(安受けを2パターン張る形)」「総大受け(安受けと総大の2パターン張る形)」、すべての札を横に置き逆目を当たりとする「裏張/裏面張/総裏」、角を切った廻札を使って合計値を当てたり、来ない目を推理して5枚目の札として右上に張る「ケイモン/ケーモン」など、特殊な張り方が多数存在するので、事前に合力へ確認しておく必要がある。 配当金額に端数が生じる場合、「駒札(こまふだ)/半券(ぱん)」と呼ばれるセルロイド製やプラスティック製の札や碁石がチップとして使用される。例えば、碁石1つを2500円として代用したりするのだが、これ以外に生じた端数は切り捨てられるため、賭け金によっては張子が若干の得をすることもあれば、損することも起こり得る。この切り捨てのことを「出入り」と呼んでいる。
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