賽本引(さいほんびき)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/04 07:48 UTC 版)
三分(9mm)、もしくは四分(12mm)のサイコロ2個を使用し、それをツボザルか湯呑み(寿司屋で使う大型の物)に入れて電話帳の上に叩きつけるように伏せ、出た目の合計の数(と なら合計は3)を答えとし、7以上の数は6を引く。例えば、サイコロの目が と の場合、当たり目である2の目木を右端に移動させ、「台」と呼ばれるサイコロの大きい目(この例では5)の目木を少し突き出すようにする。これは、突木(つきもく)の目と次の勝負でどちらかのサイコロの出目が同じ場合には無条件で胴の勝ちとするルールの名残とも言われているが、台と根を見ることで、賽の目が分かるようになっている(台が五で、根が一であれば、 出目はと )。目木は、手本引きで使用されるタイプよりもサイズが大型の物を使用することが多い。最初の勝負では、サイコロ2個の合計値が7になるよう揃えてからツボザルに入れて振り、次回以降は出た目をそのままツボザルに入れるのが正式な作法である。手本引きほど胴師の技量を必要とせず、胴と張子が結託しづらく、運任せでよりスピーディーな勝負が楽しめることから関西だけでなく関東でも人気があり、常盆の種目として遊ばれた。テンポの速い盆では一時間で90番近くの勝負が行われる。京都では「オッチョコ」、大阪では「オイチョコ」とも呼ばれているが、これは手本引きの胴に比べ「怠慢」であることを意味する「おっちょこちょい」の「オッチョコ」である。常盆では、1926年(昭和元年)以降に製造され流行した1の目が赤色(赤ピン)のプラスティック製のサイコロを避け、象牙や鹿角製のサイコロを使用した。予備のサイコロは小皿に塩を入れてその中で清められ、盆側が不利な出目(悪綱/わるな)が続いた場合にはサイコロを交換した。特定の出目にしてツボに入れるイカサマを「伏せ込み」と言った。
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