専門職学位の意義
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大学院の専門職学位課程、いわゆる専門職大学院は社会経済の各分野において指導的役割を果たす、高度専門職業人を養成することを目的として設立されたものであり、専門職学位とはその職業人たる最低限の素養を認定する意義を有している。具体的な専門職大学院としては海外のロースクールに倣って創設された法科大学院が代表的であるが、その他の専門職大学院には公共政策大学院、会計大学院などがあり、その他ではビジネス・スクールが多い。今後は法曹育成を行う法科の他、政治家、行政官、NPOやNGOのリーダー、ジャーナリストなどの方面に人材を供給する公共政策の他、企業戦略、ファイナンス、会計、助産師、学校教育つまり教員養成、大学経営、医療経営、社会福祉、医療系、工業系、原子力系、情報技術系、心理系、環境系、健康科学系、デザイン系、日本が誇る文化であるアニメーションをはじめメディアコンテンツなどの分野など序々に高度専門教育の裾野が広がりつつあり、専門職学位の種類も増えていくことが予想される。 特に高齢化社会の進展する中で生涯学習の時代に突入した21世紀の教育環境は社会に出た後もキャリアアップを目的として再び教育を受けようとする人口が増え、社会人大学院や夜間大学院が脚光を浴びてきておりキャリア教育の重要性が高まっている。実践的なスキル修得や専門的教育を施す機関として社会人大学院の中でも有力な受け入れ先である専門職大学院には取得する学位の代表的なものとしてMBA、MOT、MPH、MPA、MPMなどがある。 取得できる学位の中で最も代表的なのはビジネスマンのステータスであるMBAすなわちMaster of Business Administrationであるが、新しく出来た専門職大学院の中では経営管理学修士(専門職)または経営学修士(専門職)として置かれている場合が多い。MBAの上位には通常DBAすなわちDoctor of Business Administration(和文表記: 経営管理学博士)の学位もあるが、専門職大学院の制度が未発達段階にあることとニーズの関係から専門職大学院の学位としては未だ置かれていない。その他、企業戦略やファイナンス大学院、会計大学院で授与する学位も、和文表記では個々の専攻領域だが、英文表記としてはMBAとして一律化しているのも特徴である。MOTすなわちMBA in Technology Managementの学位も日本では技術経営管理学修士(専門職)などの名称で置いている。その他、法政大学の様にMBITという学位を置く大学もあるが、これはMaster of Business information technologyといい、情報技術修士(専門職)という和文表記が主に用いられている。 専門職大学院の前身である専門大学院制度の下で成立した公衆衛生大学院では疫病の治療予防の研究を目的とした人材育成がなされ、当該大学院修了者にはMPH、つまりMaster of Public Health、和文表記: 公衆衛生修士号の学位を授与している。またDPH(Doctor of Public Health、和文表記: 公衆衛生博士号)やPh.D.(Doctor of Philosophy、和文表記: 学術博士)を授与する大学院もある。また、次に代表的なものは公共経営大学院の学位である。これらの大学院で取得できる学位にはMPAやMPMという学位などがある。MPA(Master of Public Administration)とMPM(Master of Public Management)を公共経営学修士と訳し、日本では早稲田大学が公共経営研究科という公共政策大学院を設置し、公共経営修士(専門職)の学位をMPMとして授与している。MPPはMaster of Public Policyの略で日本では公共政策学修士(専門職)としている なお、専門職学位は、大学の教授となることのできる資格の要件の一つでもある。また、准教授・講師・助教となることのできる資格の要件の一つでもある。これらに加えて、専修学校専門課程教員資格でもある。それゆえに今後、専門職技能を有する教員を大学や専修学校で確保する上でも専門職学位を有する高度専門職業人の活躍が期待されるところである。
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