宋襄の仁とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 宋襄の仁の意味・解説 

そうじょう‐の‐じん〔ソウジヤウ‐〕【宋×襄の仁】

読み方:そうじょうのじん

《「春秋左伝僖公二二年から》無益情け。つまらない情けをかけてひどい目にあうこと。宋の襄公(そ)と戦ったとき、公子の目夷(もくい)が敵が陣を敷かないうちに攻めよう進言したが、襄公が人の困っているときに苦しめてはいけないと言って敵に情けをかけたために負けてしまったという故事よる。


宋襄の仁

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/01 14:08 UTC 版)

泓水の戦い」の記事における「宋襄の仁」の解説

宋の国民大い怒り成王無礼正すために挑戦することになった楚軍首都郢を発し襄公はこれを受けて決戦の地に宋国内の泓水のほとりを選んだ。やがて楚軍現れ、川を渡り始めると宋の宰相の目夷(子魚)は「まともに戦え勝ち目はありません。楚軍が川を渡りきって陣を完成する前に攻撃しましょう」と進言した。しかし襄公は「君子は人が困っているときにさらに困らせるようなことはしないものだ」と言ってこれを退けた。目夷は「ああ、わが君はいまだに戦い知らない」と嘆いたという。果たして、川を渡りきった楚軍は陣を完成させ、宋軍を散々に打ち破った襄公自身太股矢傷負った。このことから、敵に対す無用の情け分不相応情けのことを宋襄の仁(そうじょうのじん)と呼ぶようになった。 ただし、宋襄の仁を批判しているのは『春秋左氏伝』であって、『春秋公羊伝』では襄公詐術使わず堂々と戦ったことを賞賛している。 また、中国史学者落合淳思は「大国で、宋は中小国。宋襄の仁がなくともが勝つのは順当なことだ」と評している。

※この「宋襄の仁」の解説は、「泓水の戦い」の解説の一部です。
「宋襄の仁」を含む「泓水の戦い」の記事については、「泓水の戦い」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「宋襄の仁」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

宋襄の仁

出典:『Wiktionary』 (2017/12/02 08:36 UTC 版)

成句

襄のソウジョウジン

  1. 中国春秋時代一国襄公示した思いやり」より)無用情けをかけ、結局不利益を受けること。

出典

春秋左氏伝僖公二十二年』(s:子魚論戰

白文
宋人既成列,人未既濟司馬曰、「彼衆我寡,及其未既濟也,請擊之!」公曰、「不可。」既濟未成列,又以告。公曰、「未可。」既陳而後擊之,宋師敗績公傷股,門官殲焉。國人皆咎公。公曰、「君子重傷,不禽二毛。古之為軍也,不以阻隘也。寡人亡國之餘,不鼓不成列。」
訓読文
宋人既に列を成すに、未だ濟り既へず。司馬曰はく、「彼衆く我寡なし,其の未だ濟り既へずに及びて也,請ふ之を擊たん」と、公曰はく、「可ならず。」、濟り既へて而未だ列を成さず,又以って告ぐ。公曰はく、「未だ可ならず。」陳を既へ後に之を擊つ,宋師敗を績む。公股を傷す,門官殲ぶ。國人皆公を咎む。公曰はく、「君子は傷を重ねず二毛を擒にせず。古の軍を為すや、隘に阻するをもちいず。寡人亡国の餘と雖ども、列を成さざるに鼓せず
現代語訳
宋の軍隊整列終えていたところ、軍隊は、まだ川を渡っていた。将軍は、「敵は多数で、こちらは少数です。まだ敵は川を渡り終えていません、ここで攻撃しましょう」と進言した。襄公は「だめだ」と許さなかった。(楚軍は)川を渡り終えたが、まだ整列していなかった。将軍は、又攻撃進言したが、襄公は「まだ、だめだ」と許さなかった。相手布陣終えた後に攻撃した。宋軍はさんざん敗れ襄公も股に怪我負い多く将兵失った。宋国の民は、皆襄公とがめた襄公言った、「君子は傷ついた相手重ねて傷つけることはせず、老兵捕らえたもしない。古の戦いにおいては逃げ場のない狭い場所で相手攻撃したはしない。私は亡国の子孫ではあるが、隊列整え相手攻撃するようなことはしない」と。
解説
春秋時代に関する泓水の戦いにおける故事は、遺民封じた国(本文中「亡國之餘」)で、古臭い儀礼因習の国と言う認識があり、それをあざけったものと言えるしかしながら孔子孟子は、礼に適った態度として評価しており、孟子襄公春秋五覇数えるほどである。その影響もあってか、司馬遷史記においては同情的描いている。

翻訳



英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「宋襄の仁」の関連用語

宋襄の仁のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



宋襄の仁のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの泓水の戦い (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの宋襄の仁 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。

©2025 GRAS Group, Inc.RSS