学校(教育機関)種別の一覧
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/06 21:19 UTC 版)
「旧制高等教育機関」の記事における「学校(教育機関)種別の一覧」の解説
以下、各学校・教育機関の種別と、それぞれが準拠した法令、および制度の概要に付いて述べる(組織・入学資格・修業年限は廃止時の規定)。なお、帝国大学・(旧制)大学およびその大学院を「最高学府」として他の学校と別格扱いする場合もある。 帝国大学(帝大)帝国大学令(1886年・1919年)に準拠し、後出の大学令制定に際してもその適用からは除外された。学部・大学院(・予科)から構成され、学部は高等学校卒業者、および設置されている場合は当該大学の予科修了者を中心に、その他一部の高等師範学校・旧制専門学校卒業者を入学対象とし、修業年限は定められなかった。官立(国立)の総合大学として「最高学府」の頂点に位置づけられた。1947年10月以降、「国立総合大学」と改称され、これに伴って国内の7帝国大学は、それぞれの校名より「帝国」の文言を削除して現校名となった。 旧制大学大学令(1918年)に準拠した。学部・大学院(研究科)・予科から構成され、学部は高等学校、および高等師範学校・旧制専門学校の卒業者、(当該大学)予科修了者を入学対象とし、修業年限は3年(医学部は4年)以上である。旧制官立(単科)大学(官立(国立)の旧制工業大学・旧制商科(商業)大学・旧制文理科大学・旧制医科大学)・旧制公立大学・旧制私立大学がこれに相当する。 旧制高等学校(高校)第一次中学校令(1886年)中の「高等中学校」に関連する規程、および高等学校令(1894年・1919年)に準拠した。本科たる高等科および(一部の学校では)予科である尋常科から構成され、高等科(文科・理科)は中学校4年次修了者・卒業者を入学対象とし、修業年限は3年である。主として帝国大学(およびその他の旧制大学)への進学予備課程として位置づけられた学校である。 旧制専門学校専門学校令(1903年)に準拠した。本科・予科・研究科・別科から構成され、本科は中学校・高等女学校、および場合によっては実業学校)の卒業者を入学対象とし(令第5条)、修業年限は3年以上であった(第6条)。高等工業学校(高工 / 1944年以降は工業専門学校(工専))・高等商業学校(高商 / 1944年以降は経済専門学校(経専))・高等農林(農業)学校(高農 / 1944年以降は農林(農業)専門学校(農専))などの実業専門学校(高等実業学校)の他、旧制女子専門学校(女専)・旧制医学専門学校(医専)・旧制歯科医学専門学校(歯科医専)・旧制薬学専門学校(薬専)・旧制外事専門学校(外専)・芸術系旧制専門学校など、官・公・私立の多岐にわたる学校が存在し、戦前ではこの形態の学校が高等教育機関の大半を占めていた。旧制大学より低位の高等教育機関として位置づけられていたが、ごく一部の学校は大学令の準拠を受け旧制大学への昇格を果たした。一方で帝国大学を含む旧制大学は、多くの場合専門学校に相当する附属学校として「専門部」を設置した。 高等師範学校(高師)師範学校令(1886年)中の「高等師範学校」に関連する規程、高等師範学校規程(1894年)、師範教育令(1897年・1943年)中の「高等師範学校」に関連する規程に準拠した。本科・研究科から構成され、本科は中学校卒業者を入学対象とし、修業年限は4年であった。卒業後は学校教員への服務規程があり、主として中等学校教員(中学校・高等女学校・師範学校)の養成機関として位置づけられた。官立2校は専攻科を基盤に「文理科大学」の設立を達成し、その一方でいくつかの私立大学は高師に相当する課程として「高等師範部」を設置し、中等教員不足を背景に帝大を含む官立の大学・専門学校にも教員養成のための臨時教員養成所・実業学校教員養成所が附設された。 女子高等師範学校(女高師)女子高等師範学校規程(1894年)、師範教育令(1897年・1943年)中の「女子高等師範学校」に関連する規程に準拠した。本科・研究科から構成され、本科は高等女学校卒業者を入学対象とし、修業年限は4年であった。卒業後は学校教員への服務規程があり、主として女子中等学校教員(高等女学校・(女子)師範学校)の養成機関として位置づけられた。 師範学校(師範)第二次師範教育令(1943年)に準拠した。本科・予科・研究科から構成され、本科は中学校・高等女学校卒業者と当該校の予科修了者を対象とし、修業年限は3年であった。師範教育令の全面改正により初めて高等教育相当の機関として規定された。卒業後は学校教員への服務規程があり、主として初等学校(旧制小学校)教員の養成機関として位置づけられた。 青年師範学校(青師)第二次師範教育令の一部改正(1944年)中の「青年師範学校」に関する規程に準拠した。本科・予科・研究科から構成され、本科は中学校・高等女学校卒業者と当該校の予科修了者を入学対象とし、修業年限は3年であった。従来の青年学校教員養成所が改組されたもので、青年学校教員の養成機関として位置づけられた。
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