夫・張成沢の処刑と失脚説
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敬姫は、2013年9月以降再び動静が途絶えた。同年12月3日に夫の張が逮捕、12日に死刑判決を受け、即日処刑されたことから、敬姫自身についても失脚説や死亡説が長く流れることとなった。 張の処刑直後から「権力闘争の過程で力を失いつつある」という見方が登場したが、張の失脚後に死亡した金国泰の国葬の葬儀委員に、敬姫は高い序列で名を連ねており、政治的地位を保持していることが確認された。また同月14日、朝鮮中央放送による金正日追悼大会争議委員の序列は6位であった。しかし、同月17日の金日成追悼大会の生中継にその姿が映ることはなかった。 2014年1月6日付の『朝鮮日報』は、韓国政府消息筋の話として、張の処刑後に自殺若しくは心臓麻痺により死去した可能性があると報じた。また、後の北朝鮮消息筋の情報では、張の処刑後に出国しスイスやポーランドに滞在ともされた。2月16日に行われた金正日の72回目の誕生日行事(光明星節)には姿を見せなかった。 2014年3月11日に発表された第13期最高人民会議代議員選挙の当選者名簿では、同姓同名の人物の存在から、前回選挙では2名分掲載されていた「金敬姫」の名前が1名分しか載せられなかったため、削除された方こそが敬姫であり、彼女が代議員に再選されず引退若しくは失脚したと分析され、同年4月9日に開催された第13期最高人民会議第1回会議でも、最高幹部が居並ぶ雛壇に登場しなかった。その後、2016年1月17日の朝鮮中央テレビで、もう一方の金敬姫の姿が代議員として映し出されたことで、敬姫が2014年の選挙で再選されていなかったことが確定した。 また、2014年2月以降に放送された朝鮮中央テレビの記録映像からも、編集により敬姫が映っていた映像が削除されていたため、引退若しくは失脚がより確実視されたが、同年4月29日の朝鮮中央テレビにおいて、再び敬姫の姿が映った記録映像が放映されたことで、彼女に関する分析は分かれた。 2014年11月に報道された脱北者・金恒光の話によれば、夫である張の処刑の5日後である2013年12月17日、自宅で服毒自殺を図っているところを発見され、病院に搬送されたが死亡したとされた。遺書には金正恩を罵倒する言葉が並び立てられていたため、葬儀や報道が行われなかったとのことであった。 2015年5月にCNNで報道された、北朝鮮の元高官の証言によると、正恩が2014年5月に敬姫の毒殺を命じたとしたが、デイリーNKの平壌内部情報筋と大韓民国国家情報院は毒殺説を否定した。同情報筋によると、敬姫は存命であるが、張の処刑によるショックでアルコール依存症が悪化し、神経が衰弱していて、かつ治療でモルヒネを大量に使うため、精神的に不安定だという。 2016年5月に開催された朝鮮労働党第7次大会では、党中央委員会政治局、書記局に代わって新設された政務局のいずれの名簿にも名前は掲載されなかった。 2020年1月25日の朝鮮中央通信により、三池淵劇場で行われた旧正月記念公演を金正恩・李雪主夫妻や金与正らと共に観覧したことが報じられ、約6年半ぶりに動静が伝えられた。座席序列は中央の金正恩・李雪主夫妻、その右隣の崔竜海に続く夫妻の左隣であり、与正の右隣の位置であった事から、依然として高い序列を維持していることが確認され。
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