大要と背景とは? わかりやすく解説

大要と背景

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 08:49 UTC 版)

貞観政要」の記事における「大要と背景」の解説

本書は、唐の太宗政治に関する言行記録した書で、古来から帝王学教科書とされてきた。主な内容は、太宗とそれを補佐した臣下たち(魏徴房玄齢杜如晦・王珪ら重臣45名)との政治問答通して貞観の治という非常に平和でよく治まった時代もたらした治世要諦語られている。 太宗傑出していたのは、自身臣下戒め指導する英明な君主であったばかりでなく、臣下直言喜んで受け入れ、常に最善君主であらねばならない努力したところにある。中国には秦以来皇帝忠告し政治得失について意見述べ諫官かんかん)という職務があり、唐代諫官毎月200用紙支給され、それを用いて諫言した。歴代の王朝に諫官置かれたが、太宗のように諌官忠告真面目に聞き入れていた皇帝極めて稀で、皇帝怒り触れて左遷されたり、殺される諌官多かったという。 太宗臣下忠告諫言を得るため、進言しやすい状態を作っていた。例えば、自分容姿いかめしく極めて厳粛であることを知っていた太宗は、進言する百官たちが圧倒されないように、必ず温顔接して臣下意見聞いた求諫篇)。また官吏たちを交替宮中宿直させ、いつも近くに座を与え政治教化利害得失について知ろう努めた。そして臣下たちもこれに応えて太宗をよく諫め太宗欲情に関することを直言したり(納諫篇)、太宗の娘の嫁入り支度が贅沢であるということまでも諫めている(魏徴諫言)。太宗は筋の通った進言忠告を非常に喜び至極もっともな言葉であると称賛し、普通の君主では到底改めにくいであろうところを改めた。 また太宗質素倹約奨励し王公以下に身分不相応な出費許さず以来国民蓄財豊かになった。公卿たちが太宗のために避暑宮殿新築提案しても、太宗費用がかかり過ぎると言って退けた太宗補佐した魏徴重臣たちは今の各省大臣相当するが、その家に奥座敷すら無いという質素な生活をしていた。私利私欲図ろう思えば容易にできたであろう立場いながらである。 このような国家のため、万民のために誠意尽くしたその言行は、儒教精神からくるといわれる中国では儒教道徳基準を置き、皇帝天の意志体して仁慈の心で万民愛育しなければならないという理念があった。また臣下にも我が天子理想的な天子にするのが責務であるという考えがあり、天子政治欠失ないよう我が身顧みず場合によっては死を覚悟して諫めることがあった。 ゆえに本書は、かつては教養人必読書であり、中国では後の歴代王朝の君主(唐の憲宗文宗宣宗、宋の仁宗、遼の興宗、金の世宗、元のクビライ、明の万暦帝、清の乾隆帝など)が愛読している。また日本にも平安時代古写本伝わり北条氏足利氏徳川氏政治重要なにあった者に愛読されてきた。

※この「大要と背景」の解説は、「貞観政要」の解説の一部です。
「大要と背景」を含む「貞観政要」の記事については、「貞観政要」の概要を参照ください。

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