國史大系とは? わかりやすく解説

こくしたいけい【国史大系】

読み方:こくしたいけい

六国史以下の基本的な歴史文献集めて校訂し叢書旧版田口卯吉(たぐちうきち)編で、正編17冊・続編15冊。明治3037年18971904)刊。新版黒板勝美編で、66冊。昭和4〜39年(1929〜1964)刊。


国史大系

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/07/06 23:59 UTC 版)

国史大系國史大系、こくしたいけい)は、日本史を研究する上での基礎史料たる古典籍を集成し、校訂を加えて刊行した叢書。明治、大正期は経済雑誌社が、昭和以降は吉川弘文館によって刊行されている。その編纂は3次に亙って行われた。

第1次:国史大系・続国史大系

明治30年(1897年)から明治34年(1901年)に『日本書紀』等17冊が、経済雑誌社で刊行。続編が明治35年(1902年)から明治37年(1904年)に『続国史大系』15冊が刊行。田口卯吉が編集し、黒板勝美が主に校訂にあたった。その編目は以下の通りである。

国史大系

続国史大系

第2次:国史大系六国史・国史大系類聚国史

黒板勝美が既刊の国史大系の六国史を再校訂し、新たに『類聚国史』を加え、『国史大系六国史』4冊、『国史大系類聚国史』1冊の計5冊が、大正2年(1913年)から大正5年(1916年)にかけて経済雑誌社から刊行された。

編目は以下の通り。

第3次:新訂増補国史大系

昭和4年(1929年)から昭和39年(1964年)にかけ、吉川弘文館で全66冊を刊行。
黒板勝美が編集し、丸山二郎らが校訂した。中途の昭和11年(1936年)に、黒板が病に倒れ[1]、丸山二郎・黒板昌夫(勝美の娘婿)・坂本太郎が「大系編修会」を発足、刊行継続にあたった。完結した昭和39年に、大系編纂事業の代表者である丸山二郎に朝日文化賞が贈られた。

昭和後期から平成にかけ、新訂増補・普及版は度々刊行された。平成10年(1998年)と平成14年(2002年)に、全巻・一斉復刊。平成19年(2007年)8月に、全巻オンデマンド(OD)版を刊行。

校訂担当者は長年、公ではなかったが『国史大系書目解題』下巻(吉川弘文館、平成13年〈2001年〉)発行し、初めて公表された。

編目は以下の通り(括弧は校訂担当者)。

  • 1. 日本書紀(上・下、丸山二郎・土井弘・井上薫
  • 2. 続日本紀(坂本太郎
  • 3. 日本後紀・続日本後紀・日本文徳天皇実録(同上)
  • 4. 日本三代実録(同上)
  • 5・6. 類聚国史(同上、ただし、編年索引は丸山二郎・山田康彦)
  • 7. 古事記・先代旧事本紀・神道五部書(丸山二郎)
  • 8. 日本書紀私記(坂本太郎)・釈日本紀(坂本太郎)・日本逸史(坂本太郎・黒板昌夫)
  • 9. 本朝世紀(吉村茂樹・馬杉太郎)
  • 10. 日本紀略(前篇)(黒板勝美・坂本太郎)
  • 11. 日本紀略(後篇)・百錬抄(同上)
  • 12. 扶桑略記(坂本太郎)・帝王編年記(丸山二郎・黒板昌夫)
  • 13-15. 続史愚抄(丸山二郎・坂本太郎)
  • 16・17. 今昔物語集(丸山二郎・山田康彦)
  • 18. 宇治拾遺物語(丸山二郎・山田康彦)・古事談・十訓抄(丸山二郎・坂本太郎・山田康彦)
  • 19. 古今著聞集(丸山二郎)・愚管抄(平泉澄・丸山二郎・坂本太郎・山田康彦)
  • 20. 栄花物語(丸山二郎・原田文穂)
  • 21. 上:水鏡(馬杉太郎・原田文穂)・大鏡(丸山二郎・馬杉太郎・原田文穂)
  • 21. 下:今鏡・増鏡(原田文穂)
  • 22. ・令義解(坂本太郎・黒板昌夫)
  • 23・24. 令集解(丸山二郎・坂本太郎・黒板昌夫・梅田俊一・原田文穂・彌永貞三
  • 25. 類聚三代格(坂本太郎)・弘仁格抄(丸山二郎)
  • 26. 交替式(延暦交替式・貞観交替式・延喜交替式)・弘仁式(以上丸山二郎)・延喜式(坂本太郎)
  • 27. 新抄格勅符抄(坂本太郎)・法曹類林(丸山二郎・黒板昌夫・瀧川政次郎)・類聚符宣抄・続左丞抄(以上、坂本太郎・黒板昌夫)・別聚符宣抄(坂本太郎)
  • 28. 政事要略(丸山二郎・黒板昌夫・瀧川政次郎)
  • 29. 上:朝野群載相田二郎吉村茂樹
  • 29. 下:本朝文粋(丸山二郎・黒板昌夫・土井弘)・本朝続文粋(土井弘)
  • 30. 本朝文集(丸山二郎・坂本太郎・土井弘)
  • 31. 日本高僧伝要文抄(坂本太郎)・元亨釈書(丸山二郎)
  • 32・33. 吾妻鏡(丸山二郎・相田二郎・平泉澄)
  • 34-37. 後鑑(豊田武・平泉澄・原田亨一・豊田武)
  • 38-47. 徳川実紀(井野辺茂雄・丸山二郎・黒板昌夫・馬杉太郎)
  • 48-52. 続徳川実紀(同上)
  • 53-57. 公卿補任(黒板昌夫・馬杉太郎)
  • 58-60. 尊卑分脈皆川完一笹山晴生山本信吉飯田瑞穂三木太郎・福原一男・大橋京子)。60のみ上・下で全4巻
  • 別巻1. 公卿補任索引(馬杉太郎)
  • 別巻2. 尊卑分脈索引(皆川完一・渡辺直彦・山本信吉・飯田瑞穂・早川庄八・大橋京子)

参考文献

  • 『国史大系書目解題 上巻』坂本太郎・黒板昌夫編 吉川弘文館、1971年3月 オンデマンド版 2018年11月 ISBN 9784642701785
  • 『国史大系書目解題 下巻』皆川完一・山本信吉編 吉川弘文館、2001年11月 オンデマンド版 2018年11月 ISBN 9784642701792 
  • 『国史大系 月報 付異本公卿補任』国史大系編修会編 吉川弘文館、1967年 オンデマンド版 2007年6月 ISBN 9784642040662

関連項目

脚注

  1. ^ 黒板は、高齢でもあり退任、昭和21年(1946年)に死去。

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