国際血盟軍
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新国際軍団消滅後、木村が1984年に全日本プロレスにおいて、新たに結成したユニット。 この年の「世界最強タッグ決定リーグ戦」に馬場・木村組で参戦したものの、1984年12月8日の愛知県体育館での対ジャンボ鶴田・天龍源一郎組戦(リーグ戦・特番により全国ネットで生中継された)において、試合中に突如としてエプロンサイドに現れた剛竜馬の姿を見るや、木村が馬場にラリアットを食らわして謀反した。 これをきっかけに馬場・木村組は空中分解、そして木村は、国際プロレス出身の剛、鶴見五郎、アポロ菅原の4人を初期メンバーに「国際血盟軍」を結成。全日本陣営をターゲットに定めた。入場の際は「国際血盟軍」団旗を振り回して入場するのが恒例となり、木村は遺恨の生まれた馬場を付け狙い、リングインの際に馬場のイラストが入ったTシャツを踏みつけたり、かつての新国際軍団ではほとんど用いなかったマイクアピールで試合後の馬場を挑発するなど、新日本参戦時とは毛色の異なった数々のパフォーマンスが次第に注目を集めていった。また、元新国際軍団でジャパンプロレス所属となった浜口や寺西、国際プロレス出身で全日本正規軍の井上や冬木ともシングルやタッグマッチで対決している。 1985年5月からは高杉正彦が新メンバーとして加わり5人体制となった。同年6月21日の日本武道館大会で、木村は馬場の持つPWFヘビー級選手権に挑戦したが、ピンフォール負け。しかしフィニッシュの時点で木村の片足がロープにかかり、それでもレフェリーが3カウントを数えてしまったことから、遺恨を増幅させる形となった。 1986年に行われた「エキサイティング・ウォーズ'86」シリーズ中は構成メンバーに変化を及ぼした。まず、3月1日に行われた第6戦秋田県立体育館大会はメンバーでは高杉だけがカードから外された(当日は3月13日の第16戦日本武道館大会で行われる全日本VSジャパン6対6対抗戦の公開抽選も行われた関係もある)。そして翌3月2日に行われた第7戦岩手県陸前高田市民体育館大会をもって、同年4月1日のカルガリーハリケーンズ(スーパー・ストロング・マシーン、ヒロ斎藤、高野俊二)の正式参戦決定に伴う日本人選手の過剰により、剛、菅原、高杉の3人は全日本から余剰人員として解雇された。その2日後の3月4日の第8戦大阪城ホール大会以降は木村・鶴見の2人で活動となったと同時に「国際血盟軍」団旗を振り回して入場するパフォーマンスも消えた。このシリーズでは、剛・菅原・高杉が解雇されて10日後の3月12日に行われた第15戦福島県坂下町民体育館大会には、国際出身でなおかつ全日本退団後は福島県会津地方で行われる興行にスポット参戦していた米村天心が出場し(当日は鶴見とのタッグでハル薗田&ロッキー羽田組と対戦)、翌3月13日の日本武道館で行われた全日本VSジャパン6対6対抗戦には、井上・冬木・浜口の国際出身者3人が出場した。3人の解雇により当時全日本に参戦していた国際出身者は、国際血盟軍残党の木村・鶴見、全日本正規軍の井上・冬木、ジャパンプロレスの浜口・寺西、「ヒットマン」と称し一匹狼となってフリー参戦していた阿修羅・原の7人と、解雇された剛・菅原・高杉とでは「国際血盟軍」結成時から待遇面でも分かれていたことが明らかとなった。 木村・鶴見の2人態勢となってからは、阿修羅・原やキラー・カーン、ザ・グレート・カブキ、そしてタイガー・ジェット・シンなどの外国人勢とも、一時的に共闘していた。解雇された3人のうち、高杉は地元である神奈川県平塚市で行われる全日本の大会にスポット参戦した他、剛は1987年の「'87サマー・アクション・シリーズ」で行われたアジアタッグ争奪リーグ戦に鶴見とのコンビでスポット参戦したが、剛がすべてピンフォール負けを喫して最下位に終わっている(井上&石川敬士組が優勝の上タイトル獲得)。残る菅原は解雇後全日本のマットに上がることはなかった。その後3人は「パイオニア戦志」を旗揚げした。 1988年8月29日、特別試合として木村と馬場の一騎討ちが再度行われたが、木村の雪辱はならず。しかし試合後、木村の口から「これだけ試合をしていると、他人とは思えない。一度でいいから「アニキ」と呼ばせてくれよ」との発言が飛び出した。これを発端に木村は馬場との「義兄弟コンビ」を実現させ、さらにこれを発展させた「ファミリー軍団」の結成へと動いていった。この動きに“あぶれた”格好になった鶴見は、木村の薦めもあり「ファミリー軍団」への加入を直訴したが、鶴見は結局1990年に、全日を離脱してSWSに入団。この時点で国際血盟軍は自然消滅した。全日本に残った木村は、全日本離脱・プロレスリング・ノア旗揚げ参画まで「ファミリー軍団」での活動に邁進していくことになる。
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