回顧番組・企画
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/06 07:47 UTC 版)
『ニュースステーション』では、1988年12月30日の年内最終放送(年末スペシャル)で、このダブルヘッダーに関する特集企画を編成。第2試合のテレビ中継で実況した安部が川崎球場からの生中継に登場したほか、近鉄・ロッテ・テレビ朝日・日刊スポーツの各関係者(同番組にスポーツコメンテーターとして出演していた編集委員の野崎靖博など)による証言VTRを放送された。 21年後の2009年2月7日にはテレビ朝日系の特別番組「伝説のスポーツ名勝負 いま明かされる舞台裏の真実」でもこのダブルヘッダーが取り上げられており、ニュースステーションと同じように近鉄・ロッテ・テレビ朝日の各関係者の証言VTRをもとに放送されていた。 また、テレビ・ラジオとも中継を制作したABCでは、試合から30年後の2018年に、平成30年度芸術祭参加作品として『 「10.19」〜7時間33分の追憶〜』というラジオドキュメンタリーを制作。同局(朝日放送テレビ所属)のスポーツアナウンサーで、中継のスコアラーを務めていた伊藤史隆(2017年に71歳で永眠した安部の後輩)が近鉄関係者(中西、梨田、吹石、大石、村上、阿波野)へのインタビュー取材とナビゲーターを担当したほか、第1・第2試合のテレビ中継の実況を収録した音源を盛り込んだ。同年11月18日に朝日放送ラジオでこの番組の本放送を実施したところ、2019年の日本民間放送連盟賞・ラジオ報道部門の優秀賞や、第56回(2018年度)ギャラクシー賞・ラジオ部門の選奨を受賞した。試合からちょうど31年後の2019年(令和元年)10月19日(土曜日)には、以上の受賞を記念して、第1試合が催された時間帯(16:00 - 17:00)に再放送を実施している。 『「10.19」〜7時間33分の追憶〜』でプロデューサーを務めた八木原明俊(制作の時点では朝日放送ラジオ編成局統括本部に所属)は、「10.19」の当日に、朝日放送(当時)のスポーツ部員として同局の本社でテレビ中継映像の編集作業へ従事。ナビゲーターの伊藤も、当時はスポーツアナウンサーとしてはまだ若手(入社5年目)だったことから、近鉄戦中継の実況・リポーターや近鉄のチーム・選手取材を主に担当していた。制作に際しては、ラジオで放送するにもかかわらず、八木原と伊藤の意向で安部による第2試合テレビ中継の実況音源を使用することを決定。第2試合のラジオ中継で実況していた武周雄(当時は朝日放送のスポーツアナウンサー)に八木原からこの意向を伝えたところ、武の先輩でもあった安部が制作の前年(2017年)に永眠したばかりであることを背景に、「安部さんの実況(音源)を(番組で)使ってくれ。俺からも頼む」との表現で快諾されたという。当初はロッテ関係者への取材も検討していたが、1時間の放送枠では取材の成果を収め切れないことが予想されたため、結局は近鉄関係者6名への取材だけにとどめた。 ちなみに八木原は、「10・19」の後に『熱闘甲子園』(テレビ朝日との共同制作番組)でチーフプロデューサーを務めた経験を背景に、「10.19」について「『プロ野球も高校野球も一緒やなぁ』と思わせる熱さがあった。番組(『「10.19」〜7時間33分の追憶〜』)の制作を通じて、当時気付かなかったゲームとしての価値が30年後に改めて見えてきたことを含めて、『人生を豊かにしてくれる財産になった』と思う」と述懐している。
※この「回顧番組・企画」の解説は、「10.19」の解説の一部です。
「回顧番組・企画」を含む「10.19」の記事については、「10.19」の概要を参照ください。
- 回顧番組・企画のページへのリンク