同コンセプトの他社製品
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「i-RAM」の記事における「同コンセプトの他社製品」の解説
Cバス時代のRAMディスク 1980年代後半から90年代はじめにかけて、日本ではPC-9800シリーズの拡張スロット(Cバス)に増設するバンク切り換え式メモリを用いたRAMディスクが広く用いられていたが、その中にはACアダプタやバッテリを搭載してデータを保持する製品や、専用のBIOSを実装して起動ディスクとして使用できる製品もいくつか存在した。これらはHDDそのものが普及する以前のHDDの代替品という意味合いの強いものであったが、HDDよりも高速に動作した。その後はHDDが普及するとWindowsの普及とともにマザーボードの専用ソケットに直接増設する揮発性のプロテクトメモリがPC用メモリの主流になり、RAMディスクより少ないメモリでディスクパフォーマンスの得られるディスクキャッシュが主に使われるようになっていった。 ヤノ電器YR833 i-RAM発売以前には、1998年3月にヤノ電器が発売した8つのDIMMスロット(256MB×8=2GBまで)を持つPCI接続のRAMディスクボードYR833があった(現在は生産停止)。Windows NT4.0と一部のPower Macintosh・Power Macのみに対応しており、DRAMも高価だったことから一般のPC市場での馴染みは薄かった。 玄人志向の試作品 その後Windowsがバージョンとともに大容量化して重くなっていったことと、それに伴ってメモリを買い換えて古いメモリを余らせる機会が多くなったことで、昔を知るユーザーの中からは余ったメモリモジュールを流用してHDD代替とするRAMディスク製品の要望が高まっていった。そのようなユーザーの要望を求めるBBSを開設していた玄人志向からは、2002年のイベントでIDE接続で168ピンDIMMを用いるi-RAMと同コンセプトのPCI接続のRAMディスク製品を開発している旨が発表された。その後i-RAM BOXのような5インチベイ型の製品も試作されたが、製品化はされなかった。2009年現在、玄人志向は後述のANS-9010/9010B相当品であるKRSD-9010/D8およびKRSD-9010B/D6をOEM販売している。 ACARD ANS-9010シリーズ ACARD Technologyは2008年にi-RAM BOXと同様コンセプトの製品であるANS-9010シリーズを発売した。使用するメモリはDDR2。ANS-9010は8スロット、最大32GBに対応。S-ATAコネクタを2端子持ち、RAIDでの速度向上を図りやすい。ANS-9010BAはS-ATAコネクタが1端子に削減されている。ANS-9010BはANS-9010Bからスロット数が6本、最大24GBに削減されている。ECCエミュレーション機能を搭載・コンパクトフラッシュを接続することでオンラインバックアップが可能などがi-RAM BOXとの相違点である。 AR'S Discar's(ディスカーズ) 一時期、前述の玄人志向の試作品と同様にSDRAM6本を用いる5インチベイ内蔵型RAMDISK製品の販売予定がアーズ(AR'S)株式会社からもアナウンスされていた。 Cenatek Rocket Drive シリーズ Cenatek(英語版)のRocket Driveシリーズは現在はCFやSSDの製品が主流だが、PCI接続でDIMMを用いる製品もあった。 来栖川 大容量SDRAM DIMM シリコンディスクボード 来栖川電工の製品にも「大容量SDRAM DIMM シリコンディスクボード」というラインナップがある。 各社シリコンディスクビルダー コンパクトフラッシュやSDメモリなどを用いてSSD相当のドライブを構築する、いわゆるシリコンディスクビルダーもi-RAMと近い時期に登場しており、「CF版i-RAM」などと呼ばれることがあった。これらフラッシュメモリは不揮発性であることからデータ保持のために通電し続ける必要が無い反面、動作速度はDRAMに劣る。HDDと比較しても(シークは速いが)全体としては必ずしも高速ではない。そのためハードウエアRAIDによるストライピングが標準構成になっていることが多い。またi-RAMに比べて一般に小型であり、3.5インチHDDやノート用の2.5インチHDDサイズに収まるものが多い。 一方、RAID機能を搭載しないで速度を犠牲にし、主に静音を目的としたメモリカード1枚用もしくはマスター/スレーブで2枚用という安価な変換アダプタもこの頃から広く出まわるようになった。
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