吉武家
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吉武惣吉 演 - 川野太郎 外川の網元・吉武家の長男。口数は多くないが実直。ツエ曰く「男の中の男」。乗組員からは「若旦那」と呼ばれる。 浜辺で絵のモデルをしていたかをると偶然出会い、その絵を買い求めた。かをるが坂東家に行く前、また逢えるであろうことを告げた。 坂東千代が喀血した日、犬吠埼で1日中かをるを待っていたらしいが、その後、英一郎の口から見合いをしたことが語られるが、かをるを思っての嘘であった。 「漁師と醤油屋では釣り合わない」との考えから、かをるとは逢わないと告げるも、律子に焚き付けられて逢いにやって来たかをるの姿に想いが抑えられずに抱擁を交わす。 梅木や清次がかをるのことで乗り込んできた際には動じずに対等に話をし、母や船村に「かをるを嫁にする」と堂々と宣言。結婚を認めてもらえるよう、何度も「入兆」へと乗り込んで行く。 昭和5年、とねから親方を譲られたことで吉武家の当主となる。 もともと名取村長のやり方に疑問を感じており、「話し合いにならない」として村長宅を襲撃(劇中では高神村騒擾事件と呼ばれる)したために主犯として警察に逮捕されるも、判決には執行猶予が付いた。 かをるが子を宿した直後、漁の最中に行方不明になってしまい、生死不明のまま1年以上が経過。記憶喪失のままフィリピンに漂流して日本へ戻り、偶然にも律子と東京で再会したことで生きていることが発覚。かをるらの努力により記憶を取り戻すも、それはかをると離婚し、しかも再婚していたことを知らさせることでもあったのだ。 かをるとの未練を断ち切るため、言語能力などを買われていた軍にスパイとして雇われ、フィリピンへ旅立っていく。その後も物資の運搬の役割などを担って戦地へ赴く。 終戦後は無事に帰還を果たすも梅木の死を知り、かをるを妻としたい旨を申し出るも、かをるが涙を流しながら気持ちを伝えると、受け入れて外川へと帰って行った。なお、とねの問いかけには完全に諦めたわけではない旨を語っていた。 夫婦になる前には、たびたびかをるの夢にも登場していた。 吉武善吉 演 - 安藤一夫 吉武家の次男。優しく純情な性格。英一郎とは友人となる。高校卒業後は漁業組合に勤めている。 かをると惣吉の気持ちに気付いており、2人を近付けるきっかけを作る。 鯉沼アミとは相思相愛。アミの兄が漁業中の事故で亡くなり、その対応を巡り、惣吉やとねのやり方に批判的であった。 アミが奉公先で女郎屋に売られてしまうと彼女を助け出そうとして昼間から遊廓へ通いつめ、叱りつけた惣吉と殴り合いの兄弟喧嘩に発展。のち、身請け金を出す代わりにとねが決めた村会議員の娘と婚約するも、アミはすでに栄二に身請けされた後だったため「自分のことは忘れてくれ」と思うのだった。 船村らとかをるを引き取りに「入兆」へ向かうも、かをるの気持ちを理解すると引き返して行った。 吉武ますみ 演 - 生田智子 村会議員・浅利の娘。のち、善吉の妻となる。 吉武文吉 演 - 飯沼慧 惣吉と善吉の父。かつては一・二を争う凄腕の漁師だったが、病のためにほぼ寝たきりであり、後遺症で言葉も不明瞭である。惣吉が買ったかをるの絵を気に入っていた。 昭和4年3月15日、網倉の中で倒れているところを善吉らに発見され、息を引き取る。亡骸は海の見える墓地に弔われた。 吉武とね 演 - 草笛光子 惣吉と善吉の母。寝たきりの亭主に代わって「利根川丸」の漁師たちを取り仕切っている女親方。気性は荒いがさっぱりしており、たまたま会った久兵衛にも「あんたは間違ってる」と言い切ってしまう(激怒させるも慌てる様子はなかった)。曰く「祝い事が大好き」。 かをるを「いい子」、律子を「豪傑」と評した。 かをるの件で梅木らが押し掛けてきたときには動じることなく対応し、惣吉からかをるを嫁にすると聞くと「乗りかかった船だ」と言って応援する。 昭和5年には惣吉に親方を譲って隠居。 惣吉が行方不明になると、さすがに気落ちした様子で弱音を吐いていたが、暫定的に親方に復帰。また、坂東家にかをるを引き取りに単身やって来るも、かをるの気持ちを察し、帰って行った。その後もかをるとは交流はあり、梅木との再婚を迷っていたときにも相談に乗っていた。 亡くなったと思っていた惣吉が生きていたと分かると安堵するも、惣吉のかをるへの想いも知っているため、複雑な心境を抱く。 終戦後、空襲で焼けてしまった「入兆」の復興などに快く手を貸す。
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