印をつける
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/11/23 04:39 UTC 版)
標識法とも言う。それぞれの個体に何等かの標識を人為的につけ、それによって個体を識別する方法である。無理やり取り付けるのであるから、その前にその個体を捕まえなければならない。したがって、以下のことに注意しなければならない。 標識がその生物の生活の負担にならないかどうか。 標識を取り付ける操作がその生物にどのような影響を与えるかどうか そのような撹乱によって、その後の生物の活動に影響があるかどうか また、取り付ける標識についても、以下のような点に注意しなければならない。 標識が生物に対して負担にならないような形式、性質、取り付け方を工夫すること。 個体識別が間違いなく行なえる方法であること。 標識がある程度以上持続するものであること。 標識のために動物の身動きが難しくなるのでは、真っ当なデータは期待できない。あっという間に剥がれる標識も困る。剥がれなくても、自然にできるような傷などで紛らわしくなるようでは困る。持続期間については、永続的というわけにはいかないとしても、少なくとも一定期間が保証できるくらいでなければ使えない。 具体的な標識としては、以下のような方法がある。 輪をつける。 生物体の一部に輪を巻きつける。輪に記号等を入れれば個体の区別がつく。生物体を傷つけないですむやり方である。最もよく知られ、広範囲で使われているのは、鳥類の足にはめる足輪であろう。これによって多くの渡り鳥などの研究が行なわれる。犬の首輪も似たようなものである。 札をつける。 表札のような札を作り、これに識別記号などを書き込む。問題は取り付け方で、丈夫な殻を持つ動物では、その部分に張り付ける、一部に穴を空けて結び付けるなどの方法をとる。カタツムリやカメでこの方法が使われる。大型哺乳類の場合、ピアスのように耳たぶにつけるのもよく使われる。 ラジオテレメトリー 大型動物の場合、電波発信機をつけるという方法が採られることもある。元来は遠隔操作でデータを送るための装置であったが、この分野ではほぼ個体の特定と、離れていてその所在を知るための装置として使われている。 マイクロチップを埋め込む。 この分野の進歩によって、ごく小型のものができるようになり、さまざまな場合に使われる。ペットに埋め込むというアイディアがあるが、これもこの例である。 体にデータを書き込む。 動物体の表面に、字が書けるようなスペースがあれば、直接にデータを書き込む手もある。トンボの羽根などはこれが可能である。蝶は羽根が大きいものの、鱗粉があるので字を書くには適さない。例外的なのがマダラチョウで、薄い羽根にマジックで字を書くことができる。これを利用して、アサギマダラの羽根に採集地と採集日、それに採集者の連絡先を記入し、放したことがきっかけで、この蝶が本州と沖縄の間を移動する習性が発見された。 体に傷をつける。 トカゲやカエルでは、指を切ることが行なわれる。それぞれの指に一定の数を当て、各足から一本ないし二本の指を切ることで、四桁の個体識別番号を作れる。この程度の傷は、すぐに治って、その後の生活にも支障はないようである。サルの場合に、毛のはえていない顔面に入れ墨をする方法が使われたことがある。コウチュウ目など、体の硬い昆虫では、その表面に線香で焦がして傷を入れる方法が使われた例もある。
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「印をつける」の例文・使い方・用例・文例
- シールで目印をつける。
- 地図に目印をつける.
- 羊に所有の印をつける.
- その日付に覚えの印をつける.
- 生徒に出席・欠席の印をつける.
- 投票用紙に×印をつける.
- …に(署名代わりに)×印をつける.
- 彼は(読んでいる)ページに印をつけるためにページを二つに折った.
- 代赭石で印をつけるまたは、それで絵を描く
- 簡単に認識できるように、点で印をつける
- 星印で印をつける
- 何かの境界を引く、印をつけるまたは設定する
- 日付の印をつける
- ブイで印をつける
- フレーズに分かれる、組み合わせる、あるいは印をつける
- その人のイニシャルで印をつける
- 印をつける、残す、または印または何かを残す
- 線で印をつける
- マットレスに印をつける
- 圧力をかけるかのように、印をつけるあるいは型押しをする
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