北勢線活性化・リニューアル事業
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/14 00:51 UTC 版)
「三岐鉄道北勢線」の記事における「北勢線活性化・リニューアル事業」の解説
北勢線の活性化を図るため、以下の4つの事業が進められている。 北勢線高速化事業 2004年(平成16年)4月から5ヵ年の計画で「北勢線高速化事業」(国・県・市町による幹線鉄道活性化補助事業)が開始された。阿下喜 - 西桑名間の52分かかる所要時間を10分短縮して42分にすることを目指している。主な事業内容としては、駅の新設・統廃合、列車行き違い設備新設、阿下喜駅2線化設備新設、曲線改良、橋梁改修、北大社変電所出力増強、電路支持物改良・き電線増強工事などがある。 西桑名駅乗り継ぎ円滑化事業 2006年(平成18年)4月から3ヵ年の計画で「北勢線西桑名駅乗り継ぎ円滑化事業」(国・県・市町による幹線鉄道活性化補助事業)が開始された。路線を延伸して西桑名駅を北側に移設する計画である。また、本事業とは別にJR・近鉄桑名駅も橋上駅舎化の上、現在よりも南側に移設される計画で、両駅間での乗り換えの利便性が向上する。 北勢線近代化事業 2004年(平成16年)4月から、「北勢線近代化事業」(国・県・市町による鉄道軌道近代化設備整備費補助事業)が開始され、車両の冷房化・高速化工事、駅務機器の自動化システム整備、東員駅舎整備、CTCの整備等が行われている。 車両の冷房化・高速化 近鉄からの運営移管時は全車両に冷房がなかったが、2006年(平成18年)から順次冷房が装備されている。冷房装置は一般の電車のように屋根上に装備するのではなく、客室内の床上に設置される(15m車は1両に2台、10m車は1両に1台)。 また、冷房化と同時並行で車両の高速走行対応化工事(70km/h)も施工されている。具体的な改造内容としては、モーターの分散配置、制御段に弱界磁段追加、ATS制御段の追加などである。ただし、地上側の軌道・信号設備が高速化未対応のため、現状での運転最高速度は従前通り45km/hにとどまっている。 駅務機器の自動化システム整備 (1) 無賃乗車の防止、(2) 降車駅での旅客の精算を不要とし旅客へのサービス向上を図る、(3) 駅務員等の人件費節減を図るため、各駅(馬道駅上りホームを除く)に自動券売機・自動精算機・自動改札機・旅客案内放送装置・インターホン・監視カメラが設置されている。 東員駅 において各駅(西桑名駅・馬道駅上りホームを除く)の遠隔監視(各駅の状況の確認、各駅の自動券売機・自動精算機・自動改札機遠隔操作、各駅への旅客案内放送の実施、各駅からのインターホンでの問い合わせ対応、各駅のシャッターの開閉)ができる。 東員駅舎整備・CTCの整備 西桑名駅および北大社駅に分散していた現場運転・駅務部門を新設する東員駅に集約し、あわせて東員駅にCTCを整備し各駅の信号制御を東員駅から集中監視することとした。本工事は、2005年(平成17年)3月に終了した。 その他リニューアル事業など 走行中の揺れは他の鉄道と比べてかなり大きい。これを解消するために軌道強化工事が継続的に実施されている。 また、近鉄時代は、同じく762mm軌間の内部線・八王子線と共に、交換駅では右側通行であったが、三岐鉄道に移管後しばらくして一般的な左側通行に改められた。
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