創業と発展
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/02/02 06:38 UTC 版)
靴職人によるオーダーメイド工房の歴史は、コーンウォールの農家の息子ジョン・ロブが足を骨折し、手術に失敗して体が不自由になった事故から始まる。農民として働く事ができなくなった彼はロンドンで靴作りを学んだ。金を求めてオーストラリアに移住した彼は、採掘者たちが見つけた金塊を保管できる様、かかとを空洞にしたブーツを作った。これらのブーツは非常な成功をおさめ、ロブは靴職人としてシドニーに定住し、1849年に彼の名を冠した会社を設立した。彼のブーツは展覧会で金メダルを獲得し、大胆な計画を進める後押しとなった。彼は専用の乗馬ブーツ(英語版)を作り、革の箱におさめイギリス本国にいる当時のプリンス・オブ・ウェールズに無断で送った。その結果、ジョン・ロブ社は1863年に初の「ロイヤルワラント」を受けた(1910年のエドワード7世の死によって失効)。 1866年、ロンドンに戻ったロブは、リージェント・ストリートに初の店を開いた。1880年、セント・ジェームズ宮殿からほど近いセント・ジェームズ・ストリート(英語版)に支店が開設された。 ロブが1895年に没すると、息子のウィリアム・ハンター・ロブ(1916年没)が事業を引き継いだ。1902年、ジョン・ロブの息子であるウィリアム・ロブ(William Lobb)が、パリ1区サントノーレ通り界隈7月29日通り (fr) にパリ支店を開業する。ウィリアム・ハンターの死後、妻のベッツィー・ロブ(1956年没)が会社を引き継ぎ、続いて息子のウィリアム(1963年没)が会社を経営した。1939年、世界恐慌の最中にウィリアムの弟エリック・ロブ(Eric Lobb 1907年-1993年)が家業に加わった。第二次世界大戦前にも倒産の危機にさらされたが、エリック・ロブが徴兵されなかった事によって、会社は存続し続けた。既にリージェント・ストリートの店は閉店していた。第二次世界大戦中は安全保障上の理由から郊外に本拠が移り。爆撃でセント・ジェームズ・ストリートの店も破壊され、ロブは隣に移った。第二次世界大戦後、景気が回復する中、エリック・ロブは英米両国の受注会で大成功をおさめ、自社の靴を提供した。1956年、ロブはエディンバラ公フィリップから御用達として認められた。1962年以来、店はかつてバイロンが住んだセント・ジェームズ・ストリート7-9番地の数軒先にあり、再び数軒移動した後、現在に至っている。 1963年、エリザベス2世女王の御用達令状を受けたジョン・ロブ(2008年に更新を停止された)は1980年にチャールズ皇太子から御用達の令状を受けている。ほぼ30年間、このようにセント・ジェームズ・ストリート店は、3人の御用達の権利(4つ目の権利を授与できたのはエリザベス王太后のみ)で飾ることが許されていた。 何年にもわたって、ジョン・ロブ社は十数軒の靴工房を買収し、それらを自社の事業に統合していった。 1976年、エルメスがパリ支店を取得し、John Lobb SASを設立する。店舗は、パリ8区フォーブール=サントノレ通り界隈ボワシー・ダングラス通り (fr) 21番地や8区フランソワ・プルミエール通り、9区モガドール通り等にある。 1982年、John Lobb SASが、既製靴のコレクションを発表する。
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