創業と活発な出版活動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/10/06 08:12 UTC 版)
「アバロンヒル」の記事における「創業と活発な出版活動」の解説
1958年、チャールズ・S・ロバーツ(en:Charles S. Roberts)が、自作のウォーゲーム『タクテクス』(en:Tactics)の成功を見て、ボルチモア市に設立した会社である。この『タクテクス』は、実際の戦争を模した状況設定と戦略を持った新しいタイプのボードゲームであった。この種のゲームは以前から存在していたが、例外なく兵士の人形(ミニチュア)と立体的な地形を要するミニチュアゲームであった。 六角形のグリッド(ヘックス)の使用、支配地域(ZOC)の概念、複数ユニットの積み重ね(スタック)、戦闘力比による戦闘結果表(CRT)、地形効果、同一時間を交互に(野球の裏表のように)駒(カウンター)の移動と戦闘を行うなど、現在の娯楽的ウォーゲームに見られるコンセプトの多くは、アバロンヒルが先鞭をつけたものである。初期の有名なアバロンヒル・ゲームとしては、後にSPIを設立するジム・ダニガン(en:James F. Dunnigan )がデザインした『パンツァーブリッツ』(en:Panzer Blitz)のほか、『ドイツアフリカ軍団』(en:Afrika Korps)、『バルジの戦い』(en:Battle of the Bulge)、そして架空戦を扱った『電撃作戦』(en:Blitzkrieg)などがあった。後年の代表作としては『戦闘指揮官』(en:Squad Leader)、その発展形である『ASL』(Advanced Squad Leader)、日本語版が発売された『アップフロント』(en:Up Front)などがある。これらのゲームの所要時間は少なくとも2から3時間、大掛かりなものでは数日を要するものもあった。 ウォーゲームは好評を博して同社の主力製品になったが、ロバーツ当人はその潜在力を過少評価していたと言える。ロバーツは稼ぎ頭であるウォーゲーム分野に制作を絞らず、より一般的な大人向けの思考ボードゲームにも同等の比重を置いた。結果的にこの経営方針がアバロンヒル社を窮地に追い込む事になった。同社の歴史のほとんどの期間において、ウォーゲームは製品リストの約半数を占めるにすぎない。
※この「創業と活発な出版活動」の解説は、「アバロンヒル」の解説の一部です。
「創業と活発な出版活動」を含む「アバロンヒル」の記事については、「アバロンヒル」の概要を参照ください。
- 創業と活発な出版活動のページへのリンク