前方離脱系の技
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/26 14:37 UTC 版)
「スキージャンプ・ペア」の記事における「前方離脱系の技」の解説
フロントジャンパーがスキー板を離れて演技を行う技。現在主流となっており、最も種類が多い。 前方離脱脚前挙(ベルリン) [H][M]踏み切りと同時にフロントがスキー板を離れ、左右の板の先端に両手をついて上体を支持し、足を前に伸ばす。ヴィドヘルツル(フロント)・ホッケ(バック)ペアが第3回ワールドカップで披露した、ペア・ジャンプ史上最初の「離れ技」。発展形としてフロントジャンパーが開脚姿勢をとるベルリン天使の詩も開発された。 前方離脱膝上支持(トーテム) [H][O][1][M]フロントがバックの膝に足を載せて前傾し、バックがフロントの足を持って支える。カウリスマキ兄弟によって編み出され、後に多くのペアがこれを取り入れた。パン焼き釜を覗き込む姿勢が元となっているらしい。 トライアングル [H][M]フロントジャンパーが板の先端を結ぶように体を横たえ、三角形を形作る。アマン(フロント)・フライホルツ(バック)ペアが開発した、ペアジャンプ史上3番目の離れ技。 しかし、アマンとフライホルツが競技中に観客の目の前で消息を絶つという大事件が発生し、事態を重く見たFIJによってペアジャンプ史上初の公開禁止技に指定された。 この『バミューダ事件』により、スキー板にフライトレコーダーが取り付けられている事が判明する。 捕獲系バックジャンパーがフロントジャンパーをぶら下げて飛行する技の総称。様々な変形技が存在する。 イーグル [H]バックジャンパーがフロントジャンパーの手を持ってぶら下げ、フロントジャンパーは頭を垂れる。鷲が獲物を捕らえる様になぞらえて「イーグル」と命名された。ヴィドヘルツル(バック)・ホッケ(フロント)ペアが編み出した捕獲系の基本技。 インペリアル・イーグル [H][O][1][M]バックジャンパーがフロントジャンパーのゼッケンの首根っこを持ってぶら下げる。ヴィドヘルツル・ホッケペアが「イーグル2」として開発、ヴィドヘルツルの愛称「皇帝」にちなんで「インペリアル・イーグル」と呼ばれるようになった。ゼッケンが破れたり、着地前にフロントジャンパーを持ち上げられずに転倒するといった失敗のリスクが高い技。 プロジェクト・イーグル [募][1]新技公募で提案された、イーグルの最終進化型。スタート前にフロントジャンパーが離脱し、バックジャンパーが追いかけて空中で捕獲する。原案ではフロントジャンパーが自ら逃げるというものであったが、第1回新技飛行テストで実演された際にはヴィドヘルツルがホッケを殴って気絶させてから蹴り落として行った。 ウミネコ [H][1]バックジャンパーがフロントジャンパーの脚を持って逆さ釣りにする。コベレフ(フロント)・ボギンスカヤ(バック)ペアの編み出したイーグルの変形技。フライト前には全身麻酔に匹敵する量のウォッカを飲む。 前方離脱十字懸垂キリスト信仰(ジーザス) [H][O][1][M]インゲブリキットセン(フロント)・ヨケルソイ(バック)ペアが大事故からの復帰と共に編み出した技。左右のスキー板の先端にフロントがつかまってキリスト像のポーズをとる。バックは手を組んで祈りを捧げ、着地の際はフロントの脇の下を持って高く掲げる。 コアラ [H][O][1][M]フロントジャンパーが体を180度反転させてバックジャンパーにしがみつく。バックがフロントを優しく抱きかかえる様子が癒し系であるとして人気の高い技である。アルボーン(フロント)・アームストロング(バック)ペアが編み出した。 プリンセス [H][1]バックジャンパーがフロントジャンパーを横抱き(いわゆるお姫様抱っこ)にする。クエイ兄弟が編み出した。 オー! ベイビー! [H][2]バックジャンパーがフロントジャンパーの膝裏を持って抱き上げ、「赤ちゃんのおしっこ」あるいはM字開脚の状態で飛行する。カーン(フロント)・アンガー(バック)ペアが編み出したが、猥褻であるとして公開禁止指定された。 タイタニック [H]バックジャンパーが離脱したフロントジャンパーの腰を抱きかかえ、フロントジャンパーが両腕を広げる。後述のアルマゲドンの元になった技。 アルマゲドン [H][O][1][M]タイタニックの体勢からバックが手を離し、落下して雪面を転がり落ちるフロントの上にバックがタイミングよく着地する。トリノオリンピッグでジェフ(フロント)&タイラー(バック)が銀メダルを取った技であり、茂木淳一アナウンサーの実況コメント「タイラー・オン・ザ・ジェフ!」はその年の流行語大賞に輝いた。 ドラ [募][1]フロントが板から離れ、バックがフロントの頭を持って倒立し、そのまま水平に回転する。第1回新技飛行テストで原田(バック)・大石(フロント)ペアによって実演された。その際モチーフに合わせ、大石が青、原田が黄色のウェアを着用した。スキー板を水平に回転させても揚力は生じないはずであるが何故か急上昇し、観客の子供たちの悲鳴にシャンツェが包まれた。上昇気流に巻き込まれたとも、後述の不思議な現象によるものとも言われている。
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