再就職支援に絡む問題
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/12 05:18 UTC 版)
「パーソルホールディングス」の記事における「再就職支援に絡む問題」の解説
2016年(平成28年)2月22日、衆院予算委員会で、厚生労働相が再就職支援のための国の助成金に絡みテンプホールディングス子会社(以下、テンプ社)が企業(王子ホールディングス)のリストラを支援していたことについて「趣旨に反する」と述べた。テンプ社は『貴社人員適正化施策実施のご提案―戦力入れ替えのお勧め』や『極秘』と記された研修資料を示し、「経営・面談担当が真に一枚岩になり、不退転の決意で目標の必達を図る」「業績回復基調の時こそ、退職金を割り増しするなどして円満な合意退職を進めることが有効」と法律に触れない退職勧奨の方法を伝授していた。研修資料には2015年3月までの3年間実績で、大手企業など7社、計272人から退職の同意を得たとの記載があった。以前複数の大企業では、従業員を退職させるために「追い出し部屋」と呼ばれる部署へ移動させるなどの手法を使用したが、社会問題化し、違法とする裁判例もでた。代わって出てきたのは、個別に低評価(ローパフォーマー、略してローパー)の従業員(ローパー社員)を呼び出して退職を促すやり方であり、テンプ社が「リストアップ方式」と呼ぶものである。社内外に非公表で進めるため、対象者が誰か分からず、社員同士で団結できない。誰にも相談できずに孤立するため、精神的に追い込まれやすいのである。ローパー社員の「心理ステージの変化」として、キューブラー・ロスのモデルを参考に挙げている。この言葉は、ドイツの女性精神科医が提唱した末期患者が死を受容するまでのプロセスを指す。(1)自分が死ぬはずはないと「否認」(2)なぜ自分がこんな目に遭うのかという「怒り」(3)神にもすがろうとする延命への「取引」(4)取引がムダと認識し、すべてに絶望を感じる「抑うつ」と4段階を経て、最終的に死を安らかに受け入れる「受容」にたどり着くとする学説で、「面談を重ねること+事前キャリア相談を経験すること+時間経過=受容(決断)につながる」としている。 テンプ社の関与は無料の事前コンサルティングで従業員が企業を退職後の再支援で利益をあげるしくみになっていた。
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