公共の信仰とは? わかりやすく解説

公共の信仰

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/17 05:20 UTC 版)

メソポタミア神話」の記事における「公共の信仰」の解説

メソポタミアの街は神々の家と考えられており、それぞれの街には対応する守護神定められていた。廟に関して郊外造られることもあったが、知られているかぎりすべての神殿は街の中に造られた。神殿建材として煉瓦用いられジッグラトとして建てられた。ジッグラトは空にそびえる階段状のステージ形容することができる。ジッグラトの持つ意義さまざまな論争の種となってきたが、神々天国地上行き来するための階段象徴しているという見解概ね統一されている。そのため、実際に神殿の上の方で儀式を行うこともあったようではあるが、神殿全体巨大な祭壇であると見ることができる。他には、神殿死んだ神がよみがえるまで埋葬されるとされる宇宙の山と見立てる説もある。例えエリドゥにあるエンキ神殿など、いくつかの神殿には果樹園があり、そのなかに一本聖なる木(Kiskanu)が存在した。この聖なる木は庭師マスター役割を担う王が執り行う儀式中心地となっていた。 メソポタミア神殿はもともと神の住まう場所として建てられた。神々はそこで街や王国のための裁定を行うと考えられていた。神々存在聖像象徴され聖像独立した部屋安置された。聖像中に神を宿すという考え方は、神を存在させる手段として理論立てられていたようである。。これはエッラの詩(How Erra Wrecked the World)からも明らかである。この話の中でエッラマルドゥクだまして聖像から追い出している。聖像は夜を通して行われる儀式によって清められ、命を吹き込まれる。そして口が開かれ洗われる。これにより神々は見、そして食べることができるようになる聖像に神が満足すればその神が宿ることになる。これら聖像のために時には余興催され、また狩に連れ出されることもあった。神殿には神のための居住空間設けられキッチン台所用品寝室、神の家族のための部屋用意された。中庭には来客者用が体を清めるための溜池とそしてチャリオットを引く馬や家畜のための小屋であった一般的に奉仕(dullu)により神は良い状態を保つことができると考えられていた。聖像は着飾られ、日に2回の饗宴催された。神が食物どのような形で消費するとされていたのかはわかっていないが、神の食事中カーテンおろされた。これは王が食事様子大衆の目に晒してならないという習慣と同様である。ときには王が神の相伴与ることもあった。同様に神官たちが同席することもあったであろう考えられる。神はお香を楽しむものだと考えられており、聖像の前ではお香焚かれた。そのほか日常的に供物捧げられ人間の生贄代替品(pūhu)、あるいは代用品dinānu)として動物捧げられた。これらの習慣には神々悪魔怒り矛先生贄へとそらす目的があった。加えてそれぞれの神ごとに特別な日取り設けられており、それぞれの儀式執り行われ供物捧げられた。多神教メソポタミアでは毎日何らかの神を祝う日となっていた。 王は理論上宗教指導者enuまたはšangū)としての役割担っており、たくさんの専門的な神官とともに神殿の中で様々な神事こなした。この神官らは人と神を結びつける媒介者として、それぞれの役割負った。すなわち監督を担うもの(šešgallu)、悪魔魔術師による人の蒙った穢れ清めるもの(āšipu)、神殿清めるもの(mašmašu)、音楽によって神の怒りを鎮めるもの(kalū)、そして女性歌手(nāru)と男性歌手(zammeru)、技術者(mārē ummāni)、帯剣したもの(nāš pari)、占い師(bārû)、告解者(šā'ilu)、そしてその他である。

※この「公共の信仰」の解説は、「メソポタミア神話」の解説の一部です。
「公共の信仰」を含む「メソポタミア神話」の記事については、「メソポタミア神話」の概要を参照ください。

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