神の怒りを鎮める
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/10/23 06:08 UTC 版)
ヒミルコの最初の仕事は、ペストに対処することであった。何もしないまま放置するとカルタゴ軍の兵力は低下し、もしヒミルコが撤退することとなったらギリシア軍はシケリアのカルタゴ領を攻撃する可能性があった。ヒミルコは有利な条件で講和をできるような状態にはなく、またカルタゴでは敗軍の将はしばしば死刑とされていた。 ヒミルコは多数の牛を海へと投じ、またギリシアのクロノス神に対して子供を生贄として捧げた。カルタゴがペストを沈静化する有効な策をとったかは不明であるが、その後ペストは収まった。ヒミルコは傾斜路の建設を再開すると共に、近くの川を堰き止めて城壁への接近を容易にした。カルタゴ軍の攻城準備が整う前に、シュラクサイのダフネウスが35,000のギリシア兵をイタリア本土からの兵を率いて到着した。ヒミルコは一部の兵を主野営地に残してアクラガスを見張らさせ、傭兵部隊をギリシア軍に向けた。ダフネウスはカルタゴ軍傭兵部隊に勝利し、敗残兵は主野営地に逃げたために、東の野営地を占領した。ヒミルコは勝ち誇るギリシア軍にあえて戦いを挑むことはしなかったが、撤退もしなかった。
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