アイヌの人身御供伝説
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/03 15:43 UTC 版)
青木純二の「アイヌの伝説」では、神話学者高木敏雄が早太郎童話論考にて分類した人身御供伝説の形式以外に特異な展開を見せる伝説が書かれている。(ただし、青木は阿寒の「恋マリモ伝説」等を創作している人物であり、実際にアイヌに伝わる伝説であるかは疑わしい)即ち、「娘を奪う山の神」、「火の神の使い」、「雪の中に咲く百合の花」、「白神岬の祟」などである。これがその他の人身御供伝説と異なるのは、勇者や僧侶が人身御供となる犠牲人を助ける展開がなく、人身御供の儀式が決行され、しかもその後に後味の悪い結末が用意されている点である。例えば、「火の神の使い」では神の怒りを鎮めるための人身御供が行われたにも関わらず、神の怒りが鎮まらず、村人が全員死んでしまう。それに反して「娘を奪う山の神」は、人身御供の儀式が行われ一応成功に終わるものの、人身御供となった女性の恋人が自殺する。「白神岬の祟」は、ある権力者が恩恵を得たいがために人身御供の儀式を行い、呪いの起因をつくることになる。
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