儒教における救済とは? わかりやすく解説

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儒教における救済

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/05 07:04 UTC 版)

救済」の記事における「儒教における救済」の解説

儒教は、日本では儒学とも呼ばれ一種道徳律政治論のようにとらえられているが、儒教形而上的世界観その道徳や政治土台に置く、立派な宗教である。 儒教における救済には、個人的な側面全体的な側面がある。 個人的な側面としては、一族先祖をまつる祭祀儀礼がある。古代中国世界観では、人間(の気)は天地より授かった魂魄こんぱく)より成り(魂は精神支える気、魄は肉体支える気を指した)、死後、魂(こん)と魄(はく、ぱく)に分かれ、魂は上昇して天に、魄は下降して地に、行く(戻る)とされる(魄は遺体や骨とともに地に留まる・潜るゆえに、魄を保管するために土葬が行われる)。そして魂と魄を祭祀儀礼により再び結び付けるとき、人間復活・再生する(=救済される)とされる。そしてこの復活・再生のための祭祀儀礼は、子孫でないと行うことができないとされる儒教においては子孫がいなければ祭祀儀礼を行うことができず、先祖自分復活・再生することができないのである儒教において、自分救ってくれるのは、神や仏などの超越的存在ではなく子孫のである故に儒教道徳においては、子が親より先に死ぬことは、祭祀を行う者がいなくなる意味でも、親や先祖対す不孝なのであり、家(家系)を守り子孫の血を絶やさぬことが、非常に重視される儒教創始者である孔子自身が、母親祭祀儀礼葬儀屋)を生業とする、生まれであった全体的側面としては、儒教(特に孔子)は、尭・舜という古代聖王による、仁義忠孝重視した王道徳治政治理想としており、儒教政治的宗教的目的は、乱れた世を正し聖王の治をこの世再現する聖王の治に回帰する)ことにある。こうして儒教先祖祀る祭祀儀礼中核道徳整備し徳化教化)により連続的に儒教道徳修めた個人始めとして、家や国や天下全世界)が形成されることによって、平和(儒教道徳に基づく儒教的秩序による世界統一)が達成され徳治が行われ、人民幸福に暮らせるようになることで、全体救済されるとするのであるまた、天下平和になれば、家系戦乱などで途絶えることがなく、子孫によって祭祀儀礼が行われることによって、先祖自分救済保障されるという、循環補完論理があるわけである。 故に儒教個人救済宗教であると同時に集団救済宗教でもある。 また、他の宗教がそうであるように、儒教にも終末論がある。即ち、為政者君主皇帝)が(儒教道徳に基づく)徳を失い暴君となり、暴虐暴政を働くようになると、人民苦しみ、世は乱れ怪異天変地異が起こるようになる。これが儒教における世界終末である。すると、天(古代中国世界観における超越的至高存在)は徳のある者を新たな為政者候補選び天命革まる)、反乱起こり反乱軍暴君打倒し滅ぼして反乱者が新たな為政者君主皇帝となって新王朝打ち立ることで、世は、平和と秩序取り戻し怪異天変地異治まり新たに生まれ変わるのである。これ(終末論)は儒教におけるもう一つ救済論でもある。しかし、この新たな為政者の子孫)も、やがて堕落し暴君為りて、新たな為政者が立つのであるこのように儒教における歴史観世界観)とは、「世界堕落再生」が永遠に繰り返される、「循環史観」なのである

※この「儒教における救済」の解説は、「救済」の解説の一部です。
「儒教における救済」を含む「救済」の記事については、「救済」の概要を参照ください。

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